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寝言 zzz・・・

 事故が引き起こした波紋 2007/5/28

エキスポランドの事故によって、アミューズメントパーク業界全体に渡る検査体制の不備があぶりだされました。

詳細は国土交通省のウェブサイトに報告が上がっています。過去一年以内に探傷検査がされていないコースターは対象306施設のうち119施設。そのうち、これまで一度も探傷検査が行われていなかったのは、なんと72施設にも及ぶとのことです。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070523_2_.html

そのうちほとんどの場合はミニコースターや、コースターではない子供向け遊具なのですが、いくつか準メジャー級のコースターも含まれています。特に、スペースワールドの「ヴィーナス」が一度も探傷検査を行っていなかったというのには驚きました。スペースワールドは過去に一度、スペースショットで重傷者を出す事故を起こしており、安全性には気を使っていると思ってましたが・・・。

これを見る限り、年一回の探傷検査を行っていたというエキスポランドは、かなり「まし」な状況であったということ。利用する側に取って見れば業界全体に渡る安全軽視と言ってしかるべき状況であるのは間違いありません。

そんな中、東京都が年2回の探傷検査を義務付ける方針を発表しました。

コースター探傷試験、半年に1回…都が全国初の義務化へ

 大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で起きたジェットコースター事故を受け、東京都は遊戯施設に対し、超音波や磁気などで亀裂を調べる探傷試験を半年ごとに義務づける方針を決めた。

 都知事が定める建築基準法施行細則に盛り込む。都によると、探傷試験の義務化は全国初という。

 日本工業規格(JIS)の検査基準は、年に1回以上の探傷試験を実施するよう規定している。都はこれまでも独自のマニュアルを作り、JIS基準に従うよう遊戯施設を行政指導してきたが、強制力はなかった。今後は半年に1回、探傷試験を行わなければ、建築基準法違反になる。

 ジェットコースターのある遊園地は都内に7か所。このうち都の所管はあきる野市の「東京サマーランド」だけだが、都は他の6施設を所管する港、文京、練馬、台東、荒川の5区にも、都と同様の規定を設けるよう働きかける。

 石原知事は11日の定例記者会見で、ジェットコースターの検査制度を見直していくことを明言していた。
(2007年5月25日23時15分 読売新聞)

今のところ対象は、あきるの市にある東京サマーランドのみですが、今後は区などに働きかけ、都全体のパークに同様の検査体制を義務付けていくと見られています。当然この動きは全国的に広がっていくと見ていいでしょう。利用者にとっては、安全が重視される歓迎すべき内容に見えます・・・が。

以前も書きましたが、コースターの検査やメンテナンスには多大な時間と費用がかかります。場合によっては一台のライドあたり数百万ほどかかることもあると言われているほど。これだけの費用を捻出できるパークは一体どれだけあるのでしょうか?正直言って、全く想像が付きません。例えば上記のサマーランド。おそらくVekoma製のループコースター「トルネード」などが対象となるのでしょうが、このライドがそこまでの稼ぎを生み出しているとは到底思えません。

となると選択支は一つしかないのではと想像されます。多くのパークではコースターなどのスリルライドは撤廃され、規制のゆるいファミリーライドへの転換がますます進む。いや、それならまだいい。下手したら、多くのパークが廃業に追い込まれるかもしれません。すでに下のようなニュースも出てます。

ジェットコースター廃止決定 宮崎市動物園

2007年5月28日
 宮崎市は28日、市フェニックス自然動物園のジェットコースターを廃止することを正式に決定した。

 所有する「谷口製作所」(鹿児島県志布志市)の廃止の意向を受け入れたもの。

 エキスポランド(大阪府吹田市)のジェットコースター死亡事故を受け、同製作所は16日、「点検で異常はなかったが、施設が老朽化している。管理には年々コストもかかり、100%安全に運行する自信がない」として、同園に廃止の考えを伝えていた。

宮崎日日新聞社

コースターの安全性が向上するのは、もちろん歓迎すべきことですし、必ずやらなくてはなりませんが、議論を尽くさずに規制を強化するのは、あまりに軽々しいと思います。こういうのは本来アメとムチを使い分けてこそ効果を発揮するものだと思うし、(以前も書きましたが)規制強化以外の対応策も必ずあるはずです。

これが他業種であったなら、そう簡単には物事は進まないでしょう。例えば、自動車で死者が出てリコール騒ぎがあるような時も、それが原因で法規制が強化されるまではそれ相応の段階を踏むはず。(場合によっては握りつぶされる)

それがいいか悪いかは別として、現実的にはそんな風に様々な利害が関係し合って物事が進んでいくのですね。

日本のアミューズメントパークの世界は、残念ながら弱小連合の世界であることが多い。ディズニーやUSJは例外としても、他の多くのパークはその日暮らしで営業を続けている状態とも聞きます。行政的には、「圧力がかけやすい」世界であるのかもしれません。センセーショナルな事故だったので世間の注目も高いし、規制をかけても批判も出ずよくやったと評価される。そんな「おいしい」行政指導ならすぐさま実行しようと考えた・・・そんな穿った見方もしたくなります。

願わくば、本質を見極めた議論を尽くして欲しいということ。そして、取るに足らない小さな業界であってもそこで生きている人やそこに幸せを見出している人が大勢いることを考えて欲しいと思うのです。

 
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