那須ハイ全体に言えることだが、はっきり言ってチープな前世代の「遊園地」という雰囲気が漂っている。それは、ネーミングや色使いなどにも現れていて、このビックバーンコースターも例外ではない。(モノによっては、ちょっと見るに忍びない程のレベルだったりする・・・)
プラットフォーム。今時このロゴデザインはいくらなんでもなぁ・・・・。
さて、ビックバーンコースター。初めてその存在を知ったのは、僕が小学生の時だっただろうか。当時、地元栃木に新しい遊園地ができたと話題になっていた。それが那須ハイランドパーク。遊びに行った弟達が言うには、一つだけ「ものすごく怖いジェットコースター」があったという。今にして思えば、それがビックバーンコースター。当時コースターに興味がなかった僕は、わざわざ怖い思いをするなんて、理解できないと思った。
そんなこんなでビックバーンコースターに初めて乗ったのはいい大人になってから。それも、各地の巨大コースターを乗り歩いた後。噂ではとにかく怖いということを聞いていたので、サンドル恐怖症を克服する最後のメニューとして取っておいたのだ(笑)。
実際に目の前に立ってみると、とても小さなコースターだな、というのが印象。サンドルやらフジヤマやら巨大コースターになれてしまうと、ガッカリするほどの小ささである。しかし、ファーストドロップは確かに急角度。この75度を越えるファーストドロップは、一般的な形のコースターとしては日本一を誇る。
青いのがビックバーンコースター。ここ那須ハイでは、4つものコースターが狭い敷地に絡み合っている。
待ち行列に並んでいると轟音と共にライドが走り去っていく。いかにも旧型のコースターという感じの轟音だ。(たまたまお盆休みだったため結構な人数が並んでいたが、普段の週末程度ならほとんど待たずに乗れるのでは無いだろうか。)座席を指定され、ライドに乗り込む。座席は低く、足を伸ばすスペースが極端に小さい。大柄な人だとかなりきついだろう。U字ハーネスを下ろすと、ますます窮屈になる。
さて巻き上げだが、これが極端に「トロい」!!コースがあまりにも短いため、巻き上げで時間稼ぎをしているんじゃないかと疑ってしまうほど、巻き上げに時間がかかる。これは待っている人にとってはうんざりだが、しかし乗っている人に取ってはなかなかいいかもしれない。この遊園地は那須高原の山腹にあるため、巻き上げ時の眺めが非常にいいのだ。見渡す限りの樹海が広がっている。さらに反対側にはこれから落下する凄まじい角度のファーストドロップがよく見える。この時間を使って、心の準備をしよう。
これからあのドロップを落ちるのか・・・とドキドキ。
那須の絶景!
頂上に着くとライドはゆっくり180度旋回する。ここでライドは徐々に加速する。それは最後尾ほど強く感じられる。目の前にレールは見えない。あまりに急角度なため、坂を下るのではなく、崖から落下するような感じだ。そして、加速しつつ恐怖のファーストドロップに突入。
まさに垂直!
目の前のライドが次々に視界から消える。あっ、と思った瞬間、凄まじい力で地面に向かって引きずられる。あまりの迫力に声も出ない。うぐっ、とか声を漏らすのがいいところ。それまで穏やかに流れていた風景が、一瞬にして引き裂かれ捻じ曲げられたように見えなくなる。あまりの加速に視神経が追いつかない。そのまま地面ぎりぎりまで落下、そして間髪入れず強烈なGがかかる。古いコースターのためか結構な振動があり、木製コースターのような迫力を感じる。
地面に向かってたたきつけられるかのよう。
そして大きなキャメルバックへ突入。てっぺんではGから開放され、それまでの強烈なGとの差が気持いい。キャメルバックを超えると垂直ループに突入。再度Gがかかる。回転半径が大きいため、なかなかキモチイイ垂直ループだ。
キャメルバックを越えたところ。
轟音を共に垂直ループ。待ち行列のすぐ横にあるため、乗車待ちの間皆このループを眺めている。
垂直ループを回りきると、軽い坂を登ってから180度ターン。あとは下りつつブレーキがかかり、駅舎へ滑り込んで終了。いやー、凄い。ただし、乗るなら、必ず最後尾。最後尾とそれ以外では、迫力に雲泥の差があるから・・・。 |