乗車待ち 恐竜コースターガオーというネーミングからどうしても子供向けのミニコースターを想像してしまうが、実は全長1700メートルオーバー、最高速度97km/hの大型コースターである。なぜ恐竜コースターなのかというと、コース前半にあるキャメルバックがステゴザウルスの形をしているのだ。園内では圧倒的な存在感があり、どんな年齢の人も楽しめる一番人気のアトラクションとなっている。
入園ゲートをくぐると、目の前に長い長いゆるやかなファーストドロップが目にはいる。これが恐竜コースターだ。
駅舎の入り口にも大きな恐竜の頭があり、その口の中に入っていくようになっている。童心に返ったようにワクワクしてくる。この日は秋晴れの気持ちいい日曜日で、かなりの待ち行列ができていた。待ち時間は30分ほど。コースが長いため、回転率は良くないようだ。
ライドはなぜかマインライドのような機関車の形をしている。明昌によるこのモデルのコースターとしては、標準的なデザインなのだろうか。ハーネスはU字型のシンプルなもの。座席はコースターの規模を考えれば、かなり狭い。大人が二人乗ると、かなり窮屈だ。そのかわり、革張りソファーのようなクッションが張ってあり、すわり心地はかなりいい。としまえんの「サイクロン」といい勝負だ。座席は特に指示されることはなく、自由に座れる。しかし、コースレイアウトから言って、どこに座っても乗車感覚はそれほど変わらないだろう。
巻き上げ
スタートすると、そのまままっすく巻き上げに入る。とても長い巻上げだ。ゆるやかな坂をゆっくりゆっくり上っていく。那須ハイランドパークのキャメルコースターやビッグバーンコースターと同じくらいのスピードだが、長さは圧倒的にこちらが上だ。従って、乗車時間は必然的に長くなる。
待っている身に取ってはたまらないが、乗車している人にとっては、気持ちいい眺めを存分に楽しめる。目の前には、かなり大きな観覧車があり、どんどん近づいていく。
ファーストドロップ
巻き上げ頂上、観覧車のすぐ前でライドはゆっくりと180度旋回する。高さは公開されていないが、40メートル前後といったところだろうか。高台に設置されており、周りには高い建物が全く無いため、とても眺めがいい。
旋回の途中からライドは少しづつスピードアップ。そしてファーストドロップに入る。
このファーストドロップ、本当にドロップと呼べるのか微妙なところだ。斜度はかなりゆるい。これまで上ってきた緩やかな巻上げよりもさらに緩やかだ。とは言え、落差は大きく、どんどんスピードを増しながら地面すれすれまで降下する。角度がゆるくても、まとまった落差があるためスピード感はなかなかのもの。悲鳴はひとつも無く、歓声だけが響く。
このドロップ、なぜか落ち際にタイヤブレーキがあり、スピード調整が入るようになっている。それもファーストドロップだけでなく、この後何度かあるドロップの直前で、必ずブレーキゾーンがあるのだ。どんなコンディションでもライドのスピードを一定に保つためなのだろうか?あまり気持ち良くない仕様だが、スピードにはそれほど影響を与えてはいないようだった。
恐竜キャメルバックから中盤まで
次に大きなキャメルバックを越える。このキャメルバックは、GAOの象徴的な部分だ。ステゴザウルスの造形をまとっており、その背中を駆け上がる形になっている。といっても、乗っているとあまり意識されないのだが。
キャメルバックは大変緩やかで、頂上でも浮遊感を感じることは無い。とはいえ、雄大なアップダウンはそれなりに気持ちのいいものだ。広々とした眺めもプラスして、独特の爽快感。そしてキャメルバックを越えつつ緩やかなドロップ!大きく緩やかな連続アップダウンは、まったく恐怖感を感じない変わりに、スケールの大きな爽快感を感じる。
続けてライドは緩やかな坂を上昇し、左に旋回する。遠くまで景色が見渡せる。そして3回目のドロップ!ここでもタイヤブレーキによる速度調整が入る。
ゆるやかな下り坂の途中で、カクッと左にカーブ。地面ギリギリまで降下する。そしてライドは上昇。今度は上昇中に左に急カーブ。ここでは、少し衝撃がある。凄く痛いというわけではないが、これまでの気持ち良さから比べると少しもったいない部分だ。
若干の水平部分の後、右にカーブしながらのゆるやかなドロップ。決してスピードが出すぎているような感覚は無いのだが、ここでも速度調整が入る。地面ギリギリまで降下してから、上昇。右にゆるやかにカーブ。目の前に大きなステゴザウルスが見える。
後半部分
速度調整が入ってから、左にカーブしつつドロップ。とにかく、緩やかなドロップと上昇、カーブが続いていく。特徴に乏しく決してスリルがあるコースレイアウトでは無いのだが、ある程度まとまった落差があるためスピードの緩急があり、またその開放感あふれるロケーションも手伝って、結構歓声が上がっている。
続けてゆるやかな坂を駆け上がりmそのままキャメルバックを越える。そしてドロップ。ファーストドロップに平行したコースを進んでいく。
観覧車を前方に眺めながら少しだけ上昇して180度ターン。プラットフォームに近づいていく。
何度かタイヤブレーキをかけつつぐるりと旋回して、プラットフォームの裏手に回り、ゴールとなる。
まとめ
浮遊感を感じるドロップは皆無、スリルは皆無に近いにもかかわらず、不思議な魅力があるコースターだ。ゆるやかなドロップとゆったりとした旋回を繰り返すコースレイアウトは、どんな人でも楽しめる。三井グリーンランドの広々としたロケーションも相まって、その魅力は増大している。那須ハイのキャメルコースターにも似ているが、それをさらにマイルドにし、規模を大きくしたようなイメージ。
そこそこの高度と落差を持ち、不快な振動は一部を除きほとんど無く、乗り心地が良いため、気持ちのいいライドを楽しめる。どこかミレニアムフォースにも通じるものを感じる。(もちろん規模やスリルは大きく異なるが)
ただ、異常なまでの巻上げの遅さとコースの長さによって、回転率が悪いのが残念だ。また、一部のカーブが急すぎて衝撃を感じるのは首を傾げてしまう。那須ハイのキャメルコースターもそうだが、不要な急カーブを廃してもっと大らかなコース展開にした方が楽しいと思うのだが。 |