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メーカーについての考察 Roller Coaster Manufacturers
 



株式会社トーゴ
日本 (1935〜2004)

歴史

かつての日本を代表する遊戯機器製造会社である。FUJIYAMAやバンデットを世に送り出し、日本でのコースター黄金時代を築いた。コースター以外でも、東京ディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンなど幅広い遊戯機器を製造していた。

元々は東洋娯楽機株式会社として発足。遊具製造だけでなく、アミューズメントパークの運営も手がけていた。特に「浅草花やしき」は有名である。

1953年には、花やしきに同社初のローラーコースターを設置。大好評となる。同コースターは何度かのリニューアルを経て今でも現役の人気アトラクションとなっている。同コースターは、日本に設置されたコースターとしては宝塚ファミリーランドの「ウェーブコースター」に次いで二番目。現存するコースターとしては日本最古のものになる。また、RCDBによると、世界に現存するスチールコースターの中で5番目に古い。

80年代後半からは大型コースターの開発に注力し、特にFUJIYAMAはギネスで4冠を獲得する快挙を成し遂げ、世界的なコースターメーカーとしての地位を確立した。

また世界初のスタンディングコースターや、パイプラインコースター(ウルトラツイスター)など個性的なコースターも多く生み出し、海外進出を果たす(事業拠点はオハイオ州シンシナティ)。それらのコースターは、目新しさもあり北米を中心に数多く導入された。もっとも有名なのは、ラスベガス、ニューヨーク・ニューヨークホテルのマンハッタンエクスプレスである。コンペの結果、海外製コースターと比べて静かな走行音や振動の少なさが決め手になったと言われる。

しかし、そのころ日本ではアミューズメントパークの乱立とバブル崩壊の影響で大型遊具を中心に新規投資が極端に減り、会社の業績は悪化していた。同族経営陣による放漫経営も原因になったと言われる。

そんな中、2000年には米ナッツベリーファームに導入した併走型ループコースター「ウインジャマー・サーフレーサーズ」の相次ぐトラブルで裁判になり、パーク側がら1700万ドルの賠償請求が行われる。裁判の結果要求は退けられたが、会社のイメージは悪化し米国におけるビジネス展開は困難となってしまった。

主力と位置づけたメガコースターと海外展開で大きく躓いたトーゴは事業のリストラクチャリングを迫られる。海外法人は撤退し、大型コースター部門も解散。会社は大幅に縮小し、経営リソースを一部事業に集中させることで存続を図った。

しかし、再建は容易ではなく、2003年には売り上げは約17億円と、ピーク時の8分の1程度まで落ち込んでしまう。翌2004年の1月19日、とうとう会社更生法の適用を申請、経営破たんする。同ニュースは、「花やしきが破たん」として全国的なニュースとなった。ちなみに同社最後のコースターは東京ディズニーシーの「フランダーのフライングフィッシュコースター」。
(花やしきはバンダイグループ(現バンダイナムコグループ)のバンプレストに買収され運営が継続されている。)

トーゴ本体は消滅したが、同社の一部門であった子会社「九州トーゴ」は存続しており、納入した機器のメンテナンスを中心に事業を継続している。また、開発部門の人員は、業界他社に移って活動を続けていると言われる。

 1935年(昭和10年)創業
 1949年(昭和24年)6月、東洋娯楽機(株)の商号で法人改組
 1949年、遊園地「浅草花やしき」の直営開始
 1953年(昭和28年)、花やしきにコースター設置
 1984年(昭和59年)、現商号に変更
 2004年(平成16年)1月19日、債権者の整理回収機構(RCC)が東京地裁へ更生手続開始の申立て。同日保全命令。負債は約82億円

特徴

スチールコースターを中心に幅広いバリエーションを持つ。70年代は小型のキャメルバックコースターを中心とし、80年代はループコースター、90年代は大型コースターとラインナップを拡大してきた。

同社のコースターは、今となっては一昔前のコースターという印象はぬぐえない。しかし製造年を考慮すると、各コースターのクオリティは国内や海外の製品と比べて非常に高い。

乗り心地もよく、ループ系エレメントも無理なGは少ない。コースレイアウトもバリエーションに富み飽きさせない。とにかく客を楽しませよう、という設計者の気迫が伝わってくるようだ。国内メーカーとしてほとんど唯一エアタイムのあるキャメルバックにこだわっている。特に80年代後半〜90年代中盤のコースターは傑作が多い。バンデットやFUJIYAMAなど、世界最大級のコースターにもこだわっていた。最盛期においては世界最高コースターメーカーであったと言える。

また、世界初のスタンディングコースターやパイプラインコースターなどオリジナリティあるアイデアを形にする独創性も当時群を抜いていた。

しかし、海外においてはトーゴ製コースターの評判は非常に悪い。「トーゴ=痛い」という印象が確定しているようだ。確かに、マンハッタンエクスプレスはFUJIYAMAなどと比べてもコースの精度が悪く振動が強かった。海外向けパーツの製造元が違うのか(日本製では無いのか)、設置業者の問題なのか、メンテナンスの問題なのか、不明である。国内でも、メガコースター四次元など晩年の作品はかなり荒っぽい印象があるので、ひょっとしたら業績悪化により開発部門全体のクオリティが低下していたのかもしれない。

代表的な
コースター

 

Intamin AG
スイス (1979以前〜)

歴史

世界的な遊具メーカーというだけでなく、モノレールなどの輸送機関でも有名な大企業。コースターとしては、ファミリーコースターからギネス級子スターまで幅広いラインナップを持つ。特にメガコースターを超えるギガコースター、ストラタコースターを開発できるのは、世界でも同社だけだ。現在、世界最高のコースターメーカーのひとつである。

1979年、シダーポイントに子供向けコースターの「Jr ジェミニ」を設置し、コースター製造を開始。その後、コンスタントに様々なコースターを設置。さらにはコース世界最大、最速のコースターやそれを支える新技術を開発していく。リニアモーターや油圧モーターによる急加速コースターは同社の得意とするところだ。

1997年にはマジックマウンテンの「スーパーマン・ジ・エスケープ」で世界最速・最高高度の座を獲得し、2000年にはシダーポイントのミレニアムフォースがフルサーキット型としては初めて300フィート超えのギガコースターに、2003年にはトップスリル・ドラッグスター、2005年にはシックスフラッグス・グレートアドベンチャー「キンダカ」と、次々に世界記録を塗り替えた。

コースター大型化がひと段落した昨今では、バラエティに富んだ中型のアクセラレーターを世界中に展開している。また、設置面積を取らない「ハーフパイプ型t」や新型四次元「ザックスピン」など小型で個性的なコースターの開発にも力を入れている。また最近では木製コースターにも力を入れており、これまでとは全く違った新時代の大型木製コースターを次々にリリースしている。

特徴

同社のコースターは大変バラエティに富んでいる。一概に語るのは難しいが、乗り心地の良さやエアタイム、開放感あるライドというのが共通している。21世紀クオリティを持つコースターのデファクトスタンダードと言えるだろう。

特に最近作られたハイパーコースター以上のフルサーキット大型コースターは、乗り心地がすばらしく良く、ライドも開放的で爽快感が強いためとても人気がある。その割にコースレイアウトは振り回しが強烈で変化に富み、エアタイムも抜群。スポーツカーのようなスリルとスピード感が味わえるコースターである。一見してインタミンと分かるトラス状のレールはそのアイデンティティだ。特にミレニアムフォースやスーパーマン・ザ・ライド、エクスペディション・ジーフォースはあらゆるコースターの中でも非常に評判が高い。個人的にもっとも好きなタイプのコースターである。

あまり数は多く無いがループコースターも得意としており、世界で唯一、10回転コースターを製造している。リニアによる急加速インバーテッドコースターや往復型のインパルスコースターも多い。

アクセラレーターは大きく3種類に分けられる。トップハットのみのタイプ、キャメルバック主体のタイプ、ループするタイプである。これまで存在した急加速コースターとは比較にならないバラエティの多さで、世界的に数多く設置された。今後は中小規模のコースターが増えていくと思われる。

どのコースターも質が高く、安心して乗れる。コースター界でのインタミンブランドは確固たるものとなっている。

代表的な
コースター
  • シックスフラッグス・マジックマウンテン 「スーパーマン・ジ・エスケープ」
    世界初のリニアモーターコースター。設置当時、最高速度、最高高度で世界一。
  • シダーポイント 「ミレニアム・フォース」
    超大型のキャメルバックコースター。設置当時、最高高度、最高速度、最大落差でギネス認定。
  • 「トップ・スリル・ドラッグスター」
    超大型アクセラレーターコースター。設置当時、最高高度、最高速度、最大落差でギネス認定。
  • シックスフラッグス・グレートアドベンチャー 「キンダカ」 「エルトロ」
    超大型アクセラレーターコースター。設置当時、最高高度、最高速度、最大落差でギネス認定。
  • シックスフラッグス・ニューイングランド 「スーパーマン・ザ・ライド・オブ・スティール」
    大型のキャメルバックコースター。規模ではミレニアムフォースに劣るが、楽しさではこちらが上との声も。
  • ホリデイパーク 「エクスペディション・ジーフォース」
    大型のキャメルバックコースター。世界一のスチールコースターとの呼び声も高い。
  • 東京ドームシティ・アトラクションズ 「サンダードルフィン」
    大型のキャメルバックコースター。都心というロケーションのハイパーコースターは世界でも類を見ない。

 

Arrow Dynamics
アメリカ (1946〜2001)

歴史

かつての世界最大コースターメーカー。世界的には木製コースターが主流だった1959年、米ディズニーランドに世界初のパイプ型スチールトラックを持つコースター「マッターホルン・ボブスレー」を設置しコースター事業へ参入。一気に名を上げる。(スチールトラックのコースター自体は1900年前後からあった)

しばらくはマイントレインと呼ばれるトロッコ型のファミリーコースターを中心にシェアを増やすが、1975年に世界初のコークスクリューをナッツベリーファームに設置。同機種は世界中に設置され大ヒットとなる。日本にも谷津遊園に設置され、当時の日本に一大センセーションを巻き起こした。

80年台にはArrow社は最盛期を迎える。次々に記録を塗り替える巨大なループコースターを開発し、全米を中心に数多く設置された。80年代における著しいコースター大型化は、同社によるものが大きい。それにより同社はスチールコースターの一時代を築いた。

特に、1989年にシダーポイントに設置された「マグナムXL-200」は世界初の200フィート超のコースター「ハイパーコースター」として大人気となった。その後、世界記録の巨大コースターと言えば同社のものというイメージが定着することになる。

しかし90年代になり、その人気は凋落する。インタミン社やB&M社など競合他社がこれまでとはレベルの違うスムーズでバラエティに富んだコースターをリリースするようになったからだ。ブッシュガーデン・ヨーロッパに導入したArrow製新型ループコースター「ドラッケンファイア」は評判が悪く短期間で営業停止し廃棄処分される憂き目に会い、逆にブッシュガーデン・アフリカに導入されたB&M大型ループコースター「クンバ」は大人気となるなど、ライドの質や先進性に大きな差が開いていた。

Arrow社は起死回生を賭けて世界初の四次元コースター「エックス」を開発するが、建設途中でのライドの大規模な仕様変更など困難を極める。2001年夏という予定を大幅に遅れてオープンした後も、ライドは頻繁にトラブルを起こし営業停止・再開を繰り返す。ライド自体は大人気となるが、そのとき同社にはもはや力は残っていなかった。

2001年11月、Arrow社は倒産。翌年10月、同業のS&S Power社に買収される。同社はその後、社名をS&S Arrow社と変更。新会社に移ったコースター開発チームは、2006年、富士急ハイランド「ええじゃないか」をリリース。Arrowの遺伝子が完全に新会社に引き継がれたことを証明した。

特徴

大型のループコースターやキャメルバックコースターを得意とする。今なお数多くのコースターが存在している。

コークスクリューをはじめ様々な種類の宙返りを生み出し、巨大なマルチインバージョンコースターを数多く設置した。当時、世界でここまでの印バージョン(宙返り)コースターを作れるのは、Arrowしか無かった。マグナムに代表される大型コースターは激しいアップダウンと強烈なエアタイムが特徴で、これも唯一のものである。当時の日本製コースターとは比べられないほど激しいコースターが多い。

しかし、同社のコースターは非常に痛いことでも有名。レールのつなぎ目が直線的でカーブの度に鋭角的な衝撃があり、ダメージが大きい。エアタイムも乱暴で、気持ちがいい浮きとはならない。逆に、ダラダラと無意味に走る部分も多かったり、大雑把なコース設計がいかにもアメリカ製らしい。今の目から見ると、無骨すぎるコースターたちだ。

代表的な
コースター
  • ディズニーランド 「マッターホルン・ボブスレー」
    世界初のスチール製チューブトラックコースター。
  • シックスフラッグス・マジックマウンテン 「エックス」
    世界初の四次元コースター。
  • シダーポイント 「マグナムXL-200」
    大型のキャメルバックコースター。世界初の「ハイパーコースター」である。設置当時、最高速度、最高高度、コース全長、最大落差で世界一。
  • スペースワールド 「タイタンV」
    大型のキャメルバックコースター。マグナムXL-200を日本向けにアレンジしたもの。
  • ブラックプール・プレジャービーチ 「ペプシマックス・ビッグワン」
    大型のキャメルバックコースター。現ヨーロッパ最大のコースターでもある。設置当時、最高速度、最高高度で世界一。
  • ケニーウッドパーク 「ファントム・リベンジ」
    大型のキャメルバックコースター。 ループコースターのスティール・ファントムを改装したもの。設置当時世界最速。

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