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 遊園地のあるべき姿 2007/5/14

■遊園地の原点とは

さて、今回の事故は、古来からの「遊園地」のあり方を見直すチャンスなのかなと感じています。

日本の遊園地は、元々、動植物園、自然公園などが発達していく中で、機械式の遊具を取り入れてきたのがルーツであると考えます。それが進む中で宙返りコースターの導入に端を発する80年代の絶叫マシンブームが起こり、多くの遊園地がコースターを導入しました。しかし、右へナラエの経営方針では集客を維持することができず、また目新しい他の娯楽との競合もあり、各地の中小遊園地は不況にあえいでいる状況です。かつては金の卵だったコースターを始めとする絶叫マシンも、コストがかかる金食い虫。今や、「遊園地で遊ぶ」という行為自体が時代遅れというイメージを持たれているのは、誰しも感じていることだと思います。

しかし、アメリカやヨーロッパのパークは、今でも元気なところが多いのです。それは、簡単に都会へ移動できない周辺環境や、土地の安さ、人件費・設備投資の安さなど様々な要因があると思います。

でもそれだけでは無いハズ。海外のパーク(僕はアメリカだけですが)には、日本のパークではなかなか感じにくい、思想のようなものがあるのです。思想と言っても仰々しいものではなく、「人を笑顔にしよう」という執念とでもいいましょうか。

アメリカやヨーロッパには家族経営のパークがたくさんあります。規模は小さくても(と言っても日本の遊園地と比べたら大きい)、密度は濃く、日本の寂れて閑散とした遊園地とは大違いです。家族経営の移動遊園地も多い。

対して日本の遊園地は、鉄道会社が沿線開発のために作ったケースが多い。つまり、ビジネスが先に来ている状況。もしくはバブル期に策定された悪名高いリゾート法(1987年)による第三セクターによるもの。

この成り立ちの違いは、遊園地業界の明暗を分けた現状からは遠い話のようでいて、実は決定的な理由なんじゃないかなと思うのです。特定のパークの明暗に留まらず、遊園地業界全体、日本人の遊園地に対するイメージまでも、影響されてしまっているような気がしてならないです。

「工場で作られた消毒液付けの弁当を買う」のと、「おばちゃんの顔が見える食堂で心のこもった手料理を食べる」違いと言ったら言いすぎでしょうか。

欧米の遊園地というと、巨大な絶叫マシンがたくさんあるイメージがありますが、全体からすればそういったパークは実はそれほど多くない。そんなパークでもしっかり生き残って、地元の人から支持されている。それは一体なぜなのか? そこにこそ、遊園地が本来あるべき原点があるような気がしてならないのです。

■遊園地のプロフェッショナル

もちろん、このサイト的には(そして僕の趣味としては)、巨大な絶叫マシンがあるパークは外せません。そういったパークについても、日本とはまた違った状況が見え隠れします。

それは、アメリカやヨーロッパの大型パークは、ほとんどの場合どこかの企業グループに属しているということです。収益ベースでランキングしてみます。

最も有名で巨大なのは、ご存知ディズニーパーク。
2 位にこれもご存知シックスフラッグス。
3位はユニバーサル。
4位はシダーフェア。シダーポイントやナッツベリーファーム、元パラマウント系パークも含まれます。
5位はブッシュテーマパークス。ブッシュガーデンやシーワールドが含まれます。
6位はレゴランド。ヨーロッパを中心に多くのパークを抱えています。
7位はTHE TUSSAUDS GROUP。知らない・・・と思うなかれ。アルトンタワーやソープパーク、ハイデパークなどヨーロッパでは超大手のパークをいくつも抱えています。

この後は、ワリビワールド(Walibi World)グループやミラビランド(MIRABI LAND)グループ、韓国のエバーランドがランクインします。日本の企業が全く顔を出しませんね。これはおかしい。日本は世界第二位の絶叫マシン大国のはずです。

海外で、巨大な絶叫マシンを抱えているパークのほとんどは、まさに「遊園地のプロフェッショナル」とでも言うべき、大企業の経営の元に成り立っているわけです。当然、運営やメンテナンスノウハウ、資金力など、十分な裏づけを持って経営されているはず。

対して日本で複数の遊園地を抱えるグループ企業としては、ディズニーを除けば数えるほどでしょう。おそらく泉陽興業、加森観光、富士急行、ちょっと気色が変わっておもちゃ王国くらいか。レジャーを本業とする会社もありますが、遊園地経営を本業とする会社は皆無です。後は電鉄系子会社が運営し、ほそぼそと食いつないでいる状況。この差はあまりにも大きいと思いませんか。

もちろん、海外での遊園地事情がそのまま日本においてベストかと言えば、そうとは限りません。しかし、遊園地があるべき本質の追求も、ビジネスとしても発展も、双方が失われたとしたら後には何が残るのでしょうか? きっと夢の世界とは程遠い、殺風景で悲劇的な救いの無い現実なのではないかと思うのです。

遊園地のあるべき姿とは、一体どんな形なんでしょう。それをもう一度問い直す時期が来ているように思えます。

 
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