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 新世代木製コースター「ボヤージュ」と「エルトロ」 2006/6/15

コースターマニアにとっては垂涎の木製コースターが二つ、アメリカでオープンしました。

一足早かったホリデイワールドの「ボヤージュ」に続き、つい先日シックスフラッグス・グレートアドベンチャーでも「エルトロ」がオープンです。以前このページでもお伝えしましたが、これらのコースターは一見スタンダードなキャメルバックタイプながら、実は他には無い特徴を持った優れたコースターです。木製コースターの常識を覆す、と言っても過言ではないかもしれません。せっかくですので、ここでもう一度紹介したいと思います。

   ボヤージュ / ホリデイワールド

  • 製造: Gravity Group, LLC
  • 長さ: 1964 m
  • 高さ: 50 m
  • 落差: 53 m
  • 最高速度: 108.5 kph
  • 落下角度: 66 Degrees

 

ホリデイワールドは、インディアナ州という米国北部の片田舎、サンタクロースという町にある伝統的な遊園地です。ちょっと憧れを感じる町名ですね。その名が示すように、この町は年中クリスマス一色だということです。

さて、これまでレイブンという中型木製コースターで(一部で)有名だったホリデイワールドが、60周年を迎える2006年に満を持して投入した巨大木製コースターが、このボヤージュです。

まずその規模が圧巻。全長1963メートルという数値は、木製コースターとしてはパラマウント・キングスアイランドのビースト、サン・オブ・ビーストに次いで世界第3位という堂々たるものです。(ちなみに4位は長島スパーランドのホワイトサイクロン) 高さ50メートルから66度での落下というのもなかなかのものです。

実はこのコースター、世界一の要素があります。それは、一体なんでしょうか。

最近、富士急が獲得した「回転数」世界一というのは、コースターの面白さに直結しないので、少し残念だったりしたものです。このボヤージュは、コースターの面白さ(スリル)に直結する世界一を持っています。

それは、エアタイム(浮き)です。

オフィシャルサイトによると、トータル24秒もの無重力を体験できるということです。これは、まさに驚異的です。木製コースターは、豪快なコースレイアウトが作りにくい代わりに、アップダウンを多く配置し、それを越えるときの浮遊感を楽しめるよう作られていることが多いものです。奈良ドリームランドの「ASKA」は、おそらく国内1の浮遊感が楽しめるコースターでしょう。しかし、それでも24秒には到底満たないはず。

浮き、というのは、コースター初心者にとっては「内臓が浮かび上がるような、ちょっと怖い」感覚だったりします。しかし、慣れてくると、これほど気持ちがいいものはありません。コースターが中毒性を持っているひとつの理由として、この浮遊感があるのです。ふわーっとした感覚に身を任せて思いっきり叫べば、ストレスも吹っ飛んでしまいます。


全体イメージ。黄色になっている部分が、エアタイム。

さらにこのコースター、実は支柱が鉄骨でできています。レールが木なので便宜上木製コースターとしていますが、正確には「ハイブリッド」と呼ばれるタイプになります。木製コースターの特徴のひとつとして、独特のゆれと振動がありますが、ハイブリッドだとそれらが軽減され、滑らかな動きになるようです。これも、爽快感を増すのに一役買っているはず。

そして、コースレイアウトは、直線コースにアップダウンを多く配した贅沢なもの。大雑把なアップダウンだけではなく、微妙なカーブにアップダウンを組み合わせたりと、かなり気を配ったコースレイアウトになっています。そして、何度もトンネルがあったり、90度バンクの急カーブがあったりと、飽きさせない工夫がたくさん。

僕はまだ未体験ですが、ひょっとしたら世界一の木製コースターなのでは?と想像しています。


中盤のぐねぐねコース。絶妙なアップダウンが多く隠れているようだ・・・。


脅威の90度バンクカーブ!

このコースター、メーカーは、Gravity Groupと言います。マウント・オリンポス・テーマパークの「ハーデス」という優れたコースターを製作した新進気鋭のメーカーです。実績はまだこの2台だけ。どうして若いメーカーが、こんなに優れたコースターを作れるかというと、実はCustom Coasters International(CCI)という超大手木製コースターメーカーのOBが立ち上げた会社なのです。

CCIは、レイク・カンパウンスの「バルダーダッシュ」やナッツベリーファームの「ゴーストライダー」など、有名な傑作コースターを多く手がけてきました。「レイブン」もCCIです。

それらのエッセンスを凝縮して受け継いだボヤージュ。コースターマニアなら、乗らないと一生後悔すること間違いありません。きっと、日本にもこういったコースターが多く生まれるべきなのです。そうすれば、自然とコースターファンが増えていくことでしょう。スリルと話題性を追求するだけでは、本質的な楽しみを見逃してしまいそうです。

さて、エルトロについても書くつもりでしたが、長くなってきたので次の機会に譲ることにします。

画像:www.holidayworld.com

 
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