米国Arrow社製の小型コースター。Arrow社のキャメルバックコースターは海外では定番と言えるが、日本では珍しい。その数少ないうちの一つが、この八木山サイクロンだ。国産コースターが多い中、あえて米国製のコースターを導入するというのは、当時このパークにとってかなり冒険だったに違いない。
しかし、コースターとしては、残念ながらあまり評価できるものではない。ファーストドロップを除けばアップダウンはほとんど無く、やたらと乗り心地の悪い歪んだ旋回コースをだらだらと走行する。とにかくアメリカ製らしいおおざっぱな作りが目立ち、スピードが遅いにもかかわらず、振動が激しいのだ。
さらに、せっかくそこそこの高さや長さがあるのに、それをまったく生かせていないレイアウト。設計、製造、コンセプト、どれをとっても評価が難しいコースターだ。
しかし、唯一の白眉となっているのが、ファーストドロップ。落差は小さいにもかかわらず、55度というなかなかの急角度で落下するため、後部座席の味わいは強烈だ。安全バーも貧弱なため、空に飛び出してしまいそうな感覚を味わえる。この部分の迫力は、実は一級品だ。
規模は大きく違うが、同じArrow社製のスペースワールド「タイタン」のファーストドロップの出だしと似たフィーリングを味わえる。
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