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BMR-X 神戸ポートピアランド
■ 概要
スペック
   
オープン: 1987/3
製造: Zierer
モデル: Custom - Schwarzkopf
設計: Ingenieur Buro Stengel GmbH, Schwarzkopf
建設費:  
長さ: 800m
高さ: 26.5 m
落差:  
宙返り: 0 回
最高速度: 80Km/h
落下角度:  
乗車時間: 1:56
最大G: 5
参考:RCDB他 
評価
スリル

中盤のドロップから後半の旋回パートにかけてはなかなかのスリル。

爽快感

狭いところで急旋回を繰り返すイメージが強く、爽快感は高くない。

ダメージ 全体的に乗り心地は悪くないが、旋回部分が多いため回転系が苦手な人は要注意。
解説

BMR-Xは神戸ポートピアランドがドイツ・ジーラー社と共同開発した非常に個性的なコースターである。ジーラー社とは、ドイツの大手遊具機器メーカーで、コースターの神様と呼ばれた技術者アントン・シュワルツコフの技術を受け継ぐメーカーだ。このBMR-Xは、シュワルツコフがその生涯に手がけたコースターのうちでも後期のモデルとなる。

モデル名をババリアン・マウンテン・レイルロードと言い、ドイツ・ババリア地方(バイエルン)を走る山岳鉄道をイメージしたものだ。海外に同名モデルが存在するが、このBMR-Xは山脈をイメージした建造物の内外を走り抜けるという点で大きく異なっている。めまぐるしく変化する風景は、なかなか刺激的なものだ。

コースレイアウトは、外周を大きく回る前半と岩山内で急旋回を繰り返す後半に分かれる。1887年の設置当初は、名前もそのまま「ババリアン・マウンテン・レイルロード」だった。有名な造形型コースターである東京ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンよりも数ヶ月早くオープンしており、当時としてはかなりエポックメイキングなコースターだったと想像される。その後、1991年に火山に突入するという設定が加えられ、イルミネーションや蒸気の噴出等の演出が追加、「BMR-X」と名称が変更された。

2006年3月、入場者数の減少により神戸ポートピアランドは閉園となり、この貴重なコースターも国内から姿を消すことになった。


■ レポート (2006/3 乗車)


ドイツ風の町並みを抜けると、BMR-Xの山が見えてくる。


プラットフォームは、おそらく山岳鉄道の駅をイメージしたものだろうか。


案内板。消されている部分が気になる。


ライドは一車両二人乗り。乗車位置は好きなところを選べる。

BMR-X

閉園まであと2週間となった土曜日、BMR-Xに乗車するため、ここ神戸を訪れた。天気は曇りだが、天気予報ではまもなく雨になるらしく、なんとかBMR-Xにだけは乗車しようと、急いでパークへと向かった。

ガラガラかと思っていたが、チケットブースにはそこそこの列ができている。閉園が間近であるということで、フリーパスの大幅値下げも行っている。天気がよければ、もっと賑わうのだろう。

BMR-Xの山の前にはそこそこの行列。さっそく並ぶ。ライドは1車両二人乗り。先頭車両は機関車のような形になっている。急カーブが多いコースレイアウトからか、全体的にコンパクトなライドだ。

席について、シートベルトを締める。そして安全バーを下げる。電車の走る音がスピーカーから流れる。そして、スタートだ。

 




巻き上げ。火山をイメージしているのだろうか。赤くライトアップされている。
カーブしながらの巻上げというのは珍しい。


ファーストドロップ。落差はほどほど。


左方向は倉庫街。車道に突っ込んでいくような感覚を覚える。
ロケーション的には、サンダードルフィンのファイナルドロップとも似ている。


すぐに上昇し、ブーメランターン。
若干の横揺れがある。


大きく外周を周る、爽快な部分だ。


キャメルバックを越え、山の上へ。


最前席だと気持ちのいい浮きが楽しめる。


山の上をゆっくり進んでいく。そして、最もスリリングなパートへ突入!

スタート

目の前は洞窟のようになっている。その真っ暗な闇の中へライドは進んでいく。

洞窟では赤くライトアップされた中を、ゆっくりカーブしながら上に向かっていく。カーブしながらの巻上げというのも珍しい。

洞窟といっても、実際は鉄骨の骨組みや金属の壁がむき出しになっているのは残念なところだ。ディズニーのアトラクションを見慣れてしまうと、装飾に関してはチープな事この上ない。

外の明かりが見えると、頂上だ。洞窟から出ると、目の前には車道やらポートアイランドの町並みがよく見渡せる。ゆっくり進んで右にカーブ。そしてファーストドロップ。

左手に車道、右手に園内を眺めながらドロップ。落差は小さいが、心地よい吸い込まれ感を感じながらのドロップ。スムーズに加速する。

ドロップ後、ライドはすぐに上昇。ブーメランターンへ突入する。若干の衝撃はあるが、なかなか気持ちのいいカーブとアップダウンだ。

軽くドロップして、次にライドは岩山の上部へ向かう。山の上に乗り上げたときキャメルバックを越える形となり、前方の席ではなかなかの浮遊感を感じる。

前半は、このように大きくアップダウンを行いながら、岩山の外をぐるりと回ってくる。特に迫力があるという訳ではないが、スムーズなライディングとアップダウンの連続で爽快感を感じるパートだ。

次にライドは岩山の上部をゆっくりと直進する。決して高度があるわけではないが、不思議と高さを感じる。そして、BMR-Xで最もスリリングなパートへ突入する。




ゆっくりとドロップへ向かう。
ダイブ+ひねり+ターンが組み合わさったような、ユニークな形状。


乗車中だと、ほとんど垂直落下のように見える。
それがゆっくりと近づいてくるドキドキ感。


そして、一気にドロップ!!後部座席だとかなりの引きずられ感を感じる。


ここがBMR-Xの最も特徴的なパートだ。
なかなかのスリル!


こうして見ると、上から下に向かう大きな傾斜ループのようだ。

強烈なドロップ

直線コースはおもむろに途切れ、レールは右にひねりながら急角度で地面に向かう。それまで徐行程度のスピードだったライドは、一気にスピードアップ!地面に向かって落ちていく。後部座席では、かなりのマイナスGを感じ、なかなかの迫力だ。一気にテンションが上がる。

シュワルツコフによるコースター特有となるこのドロップ。言葉では言い表しにくいが、不思議な魅力のあるドロップだ。

乗車中、その落下角度はほぼ垂直に見える。そこに向かっていく時は、足元がなくなってしまうような、不安感を強く感じる。そして地面に向かってまっさかさま。

スペック的にはなんてことのない高さとスピードだが、その迫力と独特の味わいは、捨てがたいものだ。



暗闇の中へ突入!骨組みが丸見えなのが惜しいところ。


トンネルを抜けて 岩山の上部へ。
この見事なカーブ、スペースワールドのヴィーナスにも同じような部分がある。
これもシュワルツコフコースターの特徴だろうか。


一旦スピードダウン。後半の旋回パートへ向かう。 横では、蒸気の噴出が!


トンネルを出たり入ったりしながら、左向き水平ループを2回転ほど回る。
地面ぎりぎりを疾走するため、スピード感がある。


続けて 右回転。ライドを掠めるようにして、二回ほど蒸気の噴出が!


一瞬外に飛び出す部分もあり、変化に富んでいる。


クライマックスに向かって、どんどん激しさを増していく。


イルミネーションをくぐってからブレーキ。

後半の旋回パート

一気にスピードアップしたライドは、岩山の中へ突っ込んでいく。ここからは岩山を出たり入ったりしながら急旋回を繰り返す。

まず大きく右に向かい、180度旋回して戻ってくる。岩山の外へ出て、またトンネルへ入る。山の上では、ライドを掠めるように、蒸気が噴出する。

さらに山の内部で連続水平ループ。薄暗い中を鉄骨を掠めながらの急旋回だ。暗さやGも手伝って、なかなかのスピード感。乗り心地は決して不快ではない。作られた年代を考えれば、驚くほどスムーズな乗り心地。スペースマウンテンにも似た感覚。

ところどころに、溶岩をイメージしたイルミネーションや蒸気の噴出がある。目の前で突然爆音と共に噴出する蒸気にビックリしてしまう。急旋回しながら噴出する蒸気を掠めていく感覚は、結構面白いものだ。

1回転半ほど回ってから短いストレート、そして逆回転の水平ループ。地面ぎりぎりのループもあり、クライマックスへ向けて、どんどん迫力を増していく。

そして、暗闇の中で急ブレーキ。ゴールとなる。



「さよならポートピアランド 〜25年のあゆみ〜」展でBMR-Xの模型を発見。


岩山内部のコースレイアウトが良くわかる。


ババリ アン・マウンテン・レイルロードがオープンした当時のポスター。


改装しBMR-Xとなったときのポスター。

まとめ

建設から20年近く経つというのが信じられないほど、良くできたコースターだ。

規模は小さく、スペック的には大したこと無いし装飾もチープだが、変化に富んだコースレイアウトのおかげでダレることのないライドを楽しめる。乗り心地も及第点。

特にセカンドドロップから急旋回パートへ向かう部分は、何度乗ってもスリリングだ。同じようなスペックを持つレイジングスピリッツよりも、コースターとしては優れているだろう。

全体的に、絶妙に計算されたコース設計の妙を感じる。さすが、コースターの神様の設計といったところか。同じシュワルツコフ・コースターということもあってか、スペースワールドのヴィーナスとも似たコースレイアウト。ただし乗り心地はかなり異なる。

もう二度と乗ることができないのが、とても惜しい。時代の移り変わりは無情なものだ。

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