BMR-Xは神戸ポートピアランドがドイツ・ジーラー社と共同開発した非常に個性的なコースターである。ジーラー社とは、ドイツの大手遊具機器メーカーで、コースターの神様と呼ばれた技術者アントン・シュワルツコフの技術を受け継ぐメーカーだ。このBMR-Xは、シュワルツコフがその生涯に手がけたコースターのうちでも後期のモデルとなる。
モデル名をババリアン・マウンテン・レイルロードと言い、ドイツ・ババリア地方(バイエルン)を走る山岳鉄道をイメージしたものだ。海外に同名モデルが存在するが、このBMR-Xは山脈をイメージした建造物の内外を走り抜けるという点で大きく異なっている。めまぐるしく変化する風景は、なかなか刺激的なものだ。
コースレイアウトは、外周を大きく回る前半と岩山内で急旋回を繰り返す後半に分かれる。1887年の設置当初は、名前もそのまま「ババリアン・マウンテン・レイルロード」だった。有名な造形型コースターである東京ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンよりも数ヶ月早くオープンしており、当時としてはかなりエポックメイキングなコースターだったと想像される。その後、1991年に火山に突入するという設定が加えられ、イルミネーションや蒸気の噴出等の演出が追加、「BMR-X」と名称が変更された。
2006年3月、入場者数の減少により神戸ポートピアランドは閉園となり、この貴重なコースターも国内から姿を消すことになった。
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