ナッツベリーファームが誇る木製コースター。アメリカ西海岸の木製コースターでは、マジックマウンテンのコロッサスと並んで最大規模を誇る。しかし、そのコースレイアウトの多彩さ、激しさではコロッサスをはるかに凌駕する名コースターである。エントランスはゴーストタウンエリアに位置し、そこからパークを飛び出して道路をまたぎ、フェスティバルマーケットエリアからパーキングまで延びるコースはパーク内外においてとても存在感がある。
ゴーストライダーにはバックストーリーがある。ある炭鉱夫が閉鎖された炭鉱に入って行き、そのまま二度と戻ってくることは無かった。その後亡霊となった炭鉱夫が周辺をさまようようになり、いつしかゴーストライダーと呼ばれるようになったという。このコースターは、そのさまよう亡霊「ゴーストライダー」をテーマにしている。
コースレイアウトは古典的なダブルアウトアンドバックによるものだが、その設計は絶妙である。微妙なカーブを持つアップダウンが連続し、それらのほとんどで素晴らしいエアタイムを味わえるのだ。
特に最後尾は秀逸で、引きずり込まれるファーストドロップに始まり、木製コースター独特の激しい振動を伴ってノンストップで浮遊感、引き込まれ感を感じることになる。中間の休憩部分をはさんでコースはさらに激しくなる。そしてどんどん迫力を増していく中でのゴールとなるのだ。最高の興奮を味わえるコースターの一つである。すばらしい!
ただし、振動もかなりのもの。最後尾では浮遊感だけでなく振動も増幅され、木製コースターに慣れていない人にとってはかなりきつい。体を痛めないよう全身に力を入れて、ライドを楽しもう。
このコースターの成功を機に、ナッツベリーファームは大型スリルライドを多く投入することになる。
製作はCCI。数多くの名木製コースターを生み出したチームゆえ、さすがの仕上がりといった感じ。このチームは後にGravityGroupとなって世界最高の木製コースター、ホリデイワールド「ヴォヤージュ」を生み出すが、そのエッセンスは間違いなく感じられる。
スペックだけを見ればそこそこのコースターという感じだが、最後尾に乗ってみればその迫力は圧倒的だ。日本に現存する木製コースターとは全く違った設計思想を持つ、本場の木製コースターを体感できる。作られて10年近くなるとは思えない、高い完成度を持った木製コースターである。
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