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JUPITER 城島後楽園ゆうえんち
■ 概要
スペック
   
タイプ: 木製コースター
オープン: 1992
製造: Intamin AG
モデル: Wooden Coaster
設計: Curtis D. Summers
建設費: 25億円
長さ: 1600 m
高さ: 42 m
落差: ? m
宙返り: 0 回
最高速度: 91 Km/h
落下角度: 45 度
乗車時間: 2:35
最大G: ?
参考:RCDB 他 
評価
スリル

木製コースター独特の振動と相まって、そこそこのスリル。高さや速さを感じるのは、セカンドドロップのみなのが残念。

爽快感 もう少しキャメルバックで浮きが感じられるとよいのだが・・・。セカンドドロップに免じて3!
ダメージ 午後温まってからは振動アップ!かなり痛い。
解説

大型の木製コースター。日本で初めて建設された木製コースターである。広大な面積を使ってのびのびと走るところは、アメリカの伝統的な木製コースターの血を感じさせる。アップダウン中心のスタンダードなコースだが、スタート直後から激しいアップダウンが始まったり、ひねり落としのファーストドロップなど、国内の他の木製コースターには無い特徴がある。

アップダウンの数は多いが、比較的ゆるやかに作られているようで、ほどほどの浮きが楽しめる。反面、長さの割りに物足りなさが残るかもしれない。また、コースの途中で極端なまでに減速するポイントが3箇所あり、興奮がクールダウンしてしまうのが残念。

完成から年月が経っているせいか、その振動は半端ではない。特にグリスが温まった午後は、スピードが増すと共に振動も激しくなる。要注意。


■ レポート (2005/5 乗車)


その巨体は、圧倒的な存在感。手前にある鉄柱はスカイコースター「バードマン」。
別料金ながら、結構人気のようだった。

「JUPITER神社」なるものまである。どんなご利益があるのだろうか?


中はこんな感じ。お神酒までしっかり置いてある。


こんな看板も。JUPITER神社といい、どこか富士急を思わせるセンスだ。

JUPITERのライド。ここで、思わぬ発見が!!


座席の隙間にアマガエル!季節は秋。ここで冬眠しようとしているようだ。
確かに、黒いシートは暖かい・・・。

JUPITER

別府と由布院に程近い山中にある城島後楽園ゆうえんち。そこで建設された日本初の木製コースターがこのJUPITERである。それまで日本では建築基準の関係からか、木製のローラーコースターを作る事は難しかったようだ。城島後楽園は、絶叫系アトラクションに非常に力を入れており、タワーハッカー・ブルーフォール等と同型のインタミン製垂直落下マシーン「ニュートン」や、グレートザブーンなどと同型と思われる「ポセイドン30」、足ブラ観覧車、スカイコースター「バードマン」、巨大なビニールボールに入って坂を転がる「ゾーブ」などハードな絶叫系アトラクションが多い。

その中でも、城島後楽園の目玉アトラクションと言えるのがこのJUPITER。観光ガイドブックやポスターなどには、必ずこのJUPITERが前面に押し出されている。園内には「JUPITER神社」なる物まであり、このコースターに対する力の入れようが判る。逆に言えば、他にアイデンティティとなるアトラクションが存在しないのかもしれないが・・・。ちなみにJUPITERというネーミングは、木星(JUPITER)と木製をかけたものらしい。園内の南側を端から端まで大きく使って設置されているため、存在感も強く、まさにこの遊園地の顔といえる。

ゲート近くには車体の一部が展示され、日本初の木製コースターということがアピールされている。その脇の階段を下りると段々になった待ち行列がある。建設当時はかなりの人気アトラクションだったのだろう。今でも夏休みなどは活躍するときがあるのだろうか。

プラットフォーム。木製コースターのプラットフォームは大抵木製だ。

荷物はかごの中に。せっかくの貸切状態にもかかわらず、座席は選べないようだ。


スタートすると、いきなりのキャメルバック。


浮遊感、スピード感もなかなか。


木組みの中を急カーブ!いきなりの連続攻撃に、期待は高まる。


やっと巻き上げに。眼前に広がる山々。


反対側はJUPITERの巨体が見渡せる。

乗車・巻き上げ

この日は平日と言うことで、一度に2〜3組しか乗車することはなかったが、必ず前方から詰めて乗車するよう促された。ためしに後部座席に座りたい旨を伝えてみるが、「案内表示にある通り、前方から詰めて乗車していただきます」の一点張り。効率を考えてのことだろうが、こういう部分を改善するだけでも客の満足度は上がるのだが。

車体は入り口に展示されているものとは若干異なり、レジーナと同じ車体がベースとなっているようだ。こちらの方が新しいのかも知れない。ただ、レジーナと異なるのが、クッション。安全バーや座席、横の部分などが厚手のクッションで補強(?)してある。これは座り心地がいい。

係員による安全確認の後、スタート。駅舎からすべり降りるとライドはすぐにスピードアップ!いくつかの小さなアップダウンを越え、木組みのトンネルを抜ける。助走程度かと思ったら大間違い。なかなかのスピードで、しっかりとした浮遊感も感じる。いきなりの展開にビックリ。トンネルの中でスピードに乗ったまま右に急旋回。強烈な遠心力で体が押し付けられる。木製のため、振動はかなりのものだ。海外にはこのように巻き上げ前からスピードが出るコースターが時々あるが、日本ではかなり珍しいのではないだろうか。これは、かなり期待できそうだ!

そして、ライドはようやく巻上げへ。山の中腹に立っているため、左側には広大な森が広がっているのが見える。とても気持ちがいい。こんな風景も那須ハイとそっくりだ。右には園内が広がっている。JUPITERの巨体が遠くまで連なっているのが見える。


ようやくファーストドロップへ。頂上に「立たないで!」という看板があるのも、木製コースターのお約束。


ドロップ!右にひねりながら落ちていく。落差は小さい。


外から見たところ。巻き上げ高の半分ほどしか落ちない。


カーブしながらすぐに上昇。なかなかの振動とプラスGだ。


セカンドドロップ直前。ここはJUPITERで最もスケールの大きいドロップだ。
巨大な水平ループ部がよく見える。


そしてドロップ!!スピード感があり、とても気持ちがいい。


一回目の水平ループ。360度の景色を眺めよう。

ファーストドロップから水平ループ

程なくファーストドロップへ突入。右に大きくひねられたファーストドロップだ。落差は小さく、巻き上げ高の半分ほどしか落ちない。当然スピードもそこそだ。しかし、ひねりドロップ後、すぐに上昇するためかなりのプラスGがかかる。振動もなかなかだ。イメージ的には、ブーメランターンを上下逆にしたようなレイアウト。規模は小さいが、はやぶさのファーストドロップにも似ている。

ライドは再び高度を上げる。スピードは徐行程度にまで落ちてしまうため、浮きは感じられない。

ゆっくりとしたスピードのままセカンドドロップに突入。ここで気が付く。ここからがやっと本番なのだと。目の前にはスケールの大きな谷が広がっている。前方には高さのある水平ループ部分と横に長いJUPITERの巨体が目に入る。ドロップはもちろんストレート落下。かなりの落差だ。ライドは一気に加速。なかなかの落下感。そのまま地面近くまでドロップし、最高速度に達する。このコースターで最も迫力があり、爽快な部分だ。

強烈なプラスGがかかりライドは一気に上昇。水平ループに移るのだが、ここで強烈な浮きに襲われる。ポンッと体が跳ね上げられ、太ももが安全バーに打ち付けられる。油断していると体がライドから飛び出してしまいそうだ。この水平ループは木組みの外にあり、開放感あふれている。雄大な景色を堪能しよう。


連続キャメルバックへ。ほどほどの浮きが楽しめる。
セカンドドロップからここまでの流れは、とても魅力的だ。


一回目と二回目の連続キャメルバックが隣り合っている。
真ん中に位置するのが、一回目の連続キャメルバック。


敷地の端で、180度ターン。かなり減速する。


ブレーキゾーン。ブレーキはかからないが、今にも止まってしまいそうなほど。


二回目の水平ループ。木組みの中を走るが、外が良く見えるため、閉塞感は無い。


木組みの中をドロップ!後部座席なら、引き込まれ感があるだろうか?


最後の連続キャメルバック。一回目よりも浮きが感じられ、楽しい部分だ。

連続キャメルバックからゴールまで

一回転弱ほどのループの後、軽いふくらみを越えてからサードドロップ。この水平ループとふくらみを越えてからのドロップというレイアウトは、ホワイトサイクロンを連想させる。ドロップ自体はさほど大きくなく、角度もゆるいため浮きは感じられない。最後尾ではそれなりのマイナスGが味わえるのかもしれないが、今日は体験できないのが残念だ。

次に二連続のキャメルバック。ゆるやかなキャメルバックだが、先頭座席では一回目のキャメルバックでそれなりの浮遊感が感じられた。スピード感もあり、気持ちがいい部分だ。そのままライドは園内の左端まで戻っていく。二つ目のキャメルバックの後、ブーメランターン。軽いバンクのついたターンだがあまり意味は無く、ゆるやかなスピードで越えていく。せっかくスピードに乗って気持ちよくなっていたのに、残念な部分だ。

ターンの後軽く下って、上昇。ブレーキのついたストレート部分を通る。ブレーキはかからないのだが、ライドはかなり減速してしまう。止まってしまいそうな勢いだ。セカンドドロップからの興奮が、このブーメランターンとブレーキゾーンで一気にしぼんでしまう。

ストレートの後、軽くドロップ。次に左にカーブしながら上昇し、キャメルバックを越えたような感じで二回目の水平ループへ突入する。アップダウンが連続するが、スピードはそこそこ。特に浮遊感は感じられない。

水平ループは、木組みの中。ちょうど一回目の水平ループの下を通っているような形だ。

一回転弱ほど回った後、木組みの中をドロップ。キャメルバックが二回続く。デジャヴを感じるレイアウトだが、ここでは一回目の二連続キャメルバック以上の浮遊感を味わえる。スピードが戻ってきて爽快な部分だ。両手を上げて、この気持ちよさを感じよう!

連続キャメルバックを越えると、ブレーキがかかってゴール。ライドはゆっくりと駅舎へ戻って行く。


その後何度も乗車したが、午後しばらくしてから乗車してみると、明らかにスピードアップしているのが感じられた。木製コースターは午後が狙い目とは聞いていたが、それを強く実感した。

だが振動も半端ではない!木製コースターということで、初回乗車時も当然激しい振動はあったが、午後はそれ以上の振動に体が痛くなった。特に上下の振動が激しい。連続キャメルバック部分で、体が縦にシェイクされ安全バーと座席に体が強く打ち付けられる。

なるほど、あの厚いクッションはこのためにあったのだ・・・。スリルは大幅に増したが、これはちょっと楽しめる限界に近い・・・。後部座席に乗ろうものなら、もっと振動が激しくなるだろう。JUPITER恐るべし。

そんな折、点検作業とのことで車体が別のものに交換された。すると、先ほどの激しさが嘘のようにマイルドテイストに。スピード調節のため、車体を交換しているのだろうか?ナゾだ。


感想を言えば、「とても惜しい」コースターだ。規模は国内有数。世界でも上位に行くだろう。長い直線距離を使い連続キャメルバックを多く取りいれ、水平ループも二回あるという贅沢なコースレイアウト。特にスタート直後にいきなり始まるコース展開は絶妙だ。セカンドドロップから水平ループ、連続キャメルバックに至る部分も爽快感あふれていて、とても気持ちがいい。

しかし全体的な感想で言うと、いまいち物足りない。スピード感や落差を感じられるのはセカンドドロップだけで、後はなんとなく進行していく。コースが冗長でメリハリに欠けるのだ。

その上、極端にスピードダウンしてしまう部分がいくつもある。これが、致命的。クールダウンしてしまい、興奮度が上がりきらないまま終わってしまう。

午後になってスピードが増すと、かなりのスリルを味わえる。これがこのコースターの本来の姿なのだろう。満席になれば、おそらくさらにスピードは増し、とてつもないスリルを味わえるのではないか。ひょっとしたら、自分はまだ眠れる獅子を体験したに過ぎないのかも知れない・・・。そういう意味では、大変ポテンシャルのある味わい深いコースターという気もしてくる。

ただし、本当に目覚めてしまったら、普通の日本人には到底耐えられないハードな(痛い)コースターとなってしまうかも知れないが・・・。

ところでこのコースター、シダーポイントのミーン・ストリークと同じ人による設計らしい。ミーン・ストリークも規模は大きいが、やはり「惜しい」コースターだった。設計したのは有名なコースター設計者とのことだが、個人的にはもうちょっとがんばってもらいたいところだ。



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