まとめ
乗ってみるまで、ヴォヤージュというネーミング、そしてアップダウンを多く配置した「スチドラ」タイプのコースレイアウトから、エアタイム重視の爽快コースターだろうと想像していた。しかし、それは完全に裏切られた。
前半は確かに想像通り、柔らかでとにかく気持ちいいエアタイムの連続。雄大な景色と森の木々をかすめていくコースレイアウトと相まって、とにかく爽快感にあふれている。
しかし、中盤からコースターの性格は一気に変貌する。まるで、猛り狂った野獣のように、すさまじいアップダウンとカーブの連続。落ちるどころか、どんどん早くなるスピード。そして意表を付くトンネルのドロップ。これが、延々続いていく。同じ木製コースターで言えば、ホワイトサイクロンの終盤を数倍強烈にして、長さもぐっと引き伸ばしたようなものだ。
圧倒的なスピード感、振動を伴って次々に襲い掛かる連続カーブ。そして、アップダウン。「間」というものが微塵も存在しない。日本の木製コースターは、残念ながら相手にならない。まさに世界レベルのスリルを味わえるコースターだ。
白眉なのが、やはりアップダウンとカーブを組み合わせた「S字キャメルバック」とでも言うべきコースレイアウトだろう。写真では今ひとつ激しさが伝わらないと思うが、乗ってみるとその迫力は圧倒的だ。しかも、それが中盤以降ほとんど途切れることなく続いていく。まさに荒波を行く船のような状態。
ひとつ断っておくと、木製コースターとしては、乗り心地はかなりいい。完成したばかりということもあるかもしれないが、前半のアップダウンなどは安全バーの必要を感じないほどの乗り心地。そうは言っても、後半では圧倒的な振り回しによりかなり激しい振動を伴う。逆に言えば、基本的な乗り心地がいいからこそここまでのコースレイアウトが実現できたのだと思う。
コース全長や乗車時間も極めて長く、結果的にかなりハードなコースターになっている。正直なところ乗り手を選ぶコースターだ。相当体力に自信がないと、連続乗りは厳しいだろう。特に終盤は、自分の体を支えるので精一杯。しかし、その興奮度は最高だ。エアタイムによる爽快感もたっぷり味わえる。
すさまじいコースターだ。これに比べると、これまで乗ってきた木製コースターはみな子供だましだ。これこそ、究極の木製コースターのひとつだと断言しよう。 |