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ヴォヤージュ ホリデイワールド
The Voyage / HolidayWorld  
■ レポート (2006/8 乗車)


レンタカーを飛ばしてホリデイワールドを目指す。
見渡す限りの草原と森。そして、とうもろこし畑。


森の中から突然姿を現す巨大なキャメルバック。


パークの周囲には池があり、心地よい雰囲気。
ピクニックエリアもあり、沢山の人がキャンピングカーでバケーションを楽しんでいる。


ほのぼのとしたパークエントランス。オープン1時間前なので、ガラガラ。


園内もアットホームな雰囲気。ファミリー層が圧倒的に多い。
子供を連れてのんびりするには最高のパークだ。


パークのあちらこちらにサンタのおじいさんが。さすが町名「サンタクロース」。
カーネルサンダースではないよ。(ちなみにちょっと行くとそこはケンタッキー州)

ホリデイワールド

ホリデイワールドは、インディアナ州ルイビルから車で数時間の広大な田園地帯にある素朴な遊園地だ。パーク全体が、クリスマスや収穫祭、ハロウィンといった「Holiday」のテーマで彩られている。

決して派手な遊園地では無いが、古きよきアメリカを想起させる風景やアトラクションがうまく自然に溶け込み、とても落ち着けるのんびりした雰囲気を味わえる。ちなみにこのパークがある地名は「サンタクロース」。そんなところからも、このパークの雰囲気が作られている。

このパークには三つのメジャーなコースターがある。全て木製だ。先に作られた二つのコースター「レイブン」と「レジェンド」の製作はCCIという会社。そして、元CCIのメンバーが新たに作ったのが、ヴォヤージュのメーカーであるGravityGroup。そんなところから、この3機は兄弟とも言える。事実、乗ったフィーリングやコースレイアウトに共通する部分がある。

ヴォヤージュは2006年に登場した、新型の木製コースター。支柱がスチールのため、ハイブリット型と呼ばれている。前の二機に比べると、とにかくサイズが大きい。2006年現在、木製コースターとしては長さでは世界第3位、高さでは5位、最高速度で4位という記録を持つ。

パーク最奥に位置し、園内からはファーストドロップとセカンドドロップが見えるだけだ。後は、全て広大な森林にうずもれている。

このコースターが発表された時、「ついに来たか」と思った。

これまでの大型木製コースターは、旋回を繰り替えすタイプが多く、気持ちのいいキャメルバックがあったとしてもそれほど多くは無かった。ASKAのような気持ちのいいキャメルバックを持つコースターもあるが、スケールやスピード感という点で劣っていた。

ヴォヤージュは、スケールやキャメルバックの多さ、さらにはコースレイアウトの多彩さという点で圧倒的なものを持っていたのだ。

ちなみにこのコースターのニックネームは「エアタイムマシン」。コース全体で20秒を超えるエアタイム(浮遊感)を味わえるという。当然、世界No1だ。

一体どんな体験がまっているのか。はやる気持ちを抑えきれず、乗り場へと向かう。



パークオープン60周年で新たに新設されたサンクスギビングエリア。
その目玉が、ボヤージュ。


にぎやかなパークから外の森に向かって伸びる巨大な巻上げ。


ヴォヤージュの駅舎。普通の民家のようで、園内に溶け込んでいる。


プラットフォームは、意外とそっけない。壁には、「Voyage(航海)」思わせるオブジェが。


ライドは一般的な木製コースターのそれ。
このおっちゃん、本当に乗れるの??


巻き上げスタート!この光景、まるで木製「スチールドラゴン2000」 だ。


ぐんぐん上っていく。興奮が高まる。


強い日差しがまぶしい! 頂上の旗が手招きをしているようだ。

サンクスギビング・エリアへ

素朴な雰囲気の園内を進むと、巨大なキャメルバックが見えてくる。雨の予報も出ていたが、幸運にも天気はいい。ただし、強烈な暑さ。客の多くは併設されたウォーターパークへ向かっているようだ。そのため、人気のヴォヤージュといえども待ち時間は短い。

はやる気持ちを抑えられず、早足にプラットホームへ向かう。

プラットホームは熱気にあふれている。乗り終わって帰ってきた乗客はみな興奮状態。乗り込む人もみなテンションが高い。まだ完成から日が浅い新型コースターゆえ、今日初めて体験する人も多いのだろう。

4〜5名のスタッフも、みな笑顔で感じがいい。さすが、アットホーム度No1に選ばれたパークだけある。待っている間に若い女の子のスタッフが「どこからきたの?」と話しかけてきた。「日本からヴォヤージュに乗りにきた!」と応える。「ヴォヤージュは最高のコースターよ。楽しんでいってね。」とのこと。

ライドは一般的な木製コースターのものと変わらない。シートベルトを締め、安全バーを腰に当てる。

今度は隣に座ったアメリカ人のおじさんが話しかけてきた。日本から来たこと、このヴォヤージュが最大の目的であることを話す。おじさんはデンバー住まい。アメリカ各地のコースターを乗り歩いているマニアのようだ。

ちなみに、アメリカではコースターの相席は一般的である。ただし係員が強制するのではなく、客同士でシングルライダーを探して席を譲り合ったりする。通常、言われたほうも笑顔でOKする。そして、見知らぬ同乗者と一緒に絶叫し、興奮を分かち合うのだ。そんなことが、この旅行中数限りなくあった。コースターに乗っていると、国境など存在しない。

巻き上げがスタートする。高い。巻き上げのスピードは比較的速く、高みに向かってぐんぐん上っていく。周りに見えるのは、延々広がっている深緑の森林と畑のみ。そして、太陽と青空。

すでに興奮は最高潮。会ったばかりのオジサンと一緒に、興奮の叫び声を上げる。 ついにヴォヤージュを体験するのだ。常識を超えた、スーパーコースター、ヴォヤージュ。日本では決して味わえない究極の木製コースター体験が、これから始まる!



いよいよ来たぞ、ファーストドロップ!視界いっぱいに森が広がっている。


地面に向かって急加速。後部座席では、強い引き込まれ感を感じる。迫力・スピードも十分。

最高速度109km/hに達する。プラスGを受け、すぐさま巨大なキャメルバックを上昇!


キャメルバックの頂上では、素晴らしいエアタイム!!
最高だ!もう、全員で大歓声。

船出

あっという間に頂上。前方には巨大なキャメルバックが見える。それ以外は全て森の中。一体どんな体験が待っているのか、まったく判らない。でも、もう間もなくこの身を持って体験することになる。

ライドはゆっくり下を向き、森の中に向かって一直線に降下する。高く、爽快なドロップだ。体は完全に浮かび上がり、空を舞う。何もかも忘れて思い切り叫ぶこの瞬間は、コースター最大の醍醐味だ。

地面ギリギリまで降下し、巨大なキャメルバックを駆け上がる。木製独特の振動はあるが、比較的緩やかだ。むしろ心地いい。

そしてキャメルバックの頂上では、エアタイム!重力から完全に開放され、手は自然にバンザイの形を取ってしまう。

しかも、このエアタイムはとにかく長い。キャメルバックを上りきる前からドロップするまで、ずっとエアタイムが続くのだ。日本のコースターではまず味わえない素晴らしいエアタイムに魂まで吸い取られそう。

浮遊感を目いっぱいに感じながら、広大な森の上空を飛ぶ。自然たっぷりの風を全身に味わう。それはもう、何者にも代えがたい素晴らしい体験だ。



ドロップし、すぐさま上昇。 二つ目の大キャメルバック!


頂上で少しカーブし、ドロップ。トンネルめがけて一気に急降下。


トンネルの中で上昇。
中はひんやりとしていて、外のギラギラした空気とは対照的だ。


一瞬地上に顔を出して、また地面にもぐる。
ほとんどが地面に埋まったキャメルバックなのだ。


暗やみへドロップし、青空へ飛び出してエアタイム!この繰り返しが最高に楽しい。


最後の大キャメルバック。先にはなにやら派手にひねられたコースが・・・。
ウォーミングアップは終わった。 ここからが本番。船は嵐に突入する。

連続キャメルバック+トンネル

続けて二つ目のキャメルバック。少しだけ左にカーブしている。こちらもエアタイムはバッチリ。

二つ目のキャメルバックを超えると二連続のトンネルに突入。ライドは最高速度で暗闇に突入していく。

一瞬で暗闇を抜けると軽いキャメルバック、そしてまた暗闇と連続する。ここでも当然のように浮く。狭い穴めがけて突っ込んでいくためスピード感もあり、そして何よりこの明るさと暗闇の対比が面白い。

トンネルを抜けると、大きなキャメルバックが待っている。こちらでもエアタイム。最初の大キャメルバックと同じくらいの素晴らしいエアタイムを感じることができる。この繊細で長く柔らかいエアタイムは、国内のコースターではなかなか味わえないもの。しかもそれがここまで連続するというのは、なんと贅沢なんだろう。

ここまでの連続するアップダウンはとにかく爽快だ。スケールに富み、おおらかで無理が無い。しかも、木製ゆえの振動がスピード感と迫力を増大させている。しかし、振動が強すぎて痛いということも無い。文句のつけようが無い。途中にはさまれるトンネルと軽いアップダウンも良いアクセントになっている。

続けてトンネルに突入。トンネルの中で、急なバンクと共に左へ急カーブする。スピードは保ったままだ。

ここで折り返し。コース全体から言えば、中盤にさしかかったところだ。これまで爽快なアップダウンを続けてきたヴォヤージュ。言ってみれば、晴天の下、雄大な海を行く大きな帆船のイメージだ。しかし、それはいつまでも続かない。空には暗雲が現れ、嵐が近づいてくることを予感させる。風が吹き、海は荒れ始め、船体は波に翻弄される。そんな中盤戦に突入するのだ。



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