FUJIYAMA最大の見せ場
ブーメランターンを抜け、ライドは地面ぎりぎりまで降下する。スピードが戻ってきて爽快だ。そのまま平坦なストレート部分を走り抜ける。
ここまで素晴らしいアップダウンを繰り返し、素晴らしいライドを体験させてくれた。このままゴールになっても十分満足の行くコースターだと思う。しかし、FUJIYAMAの本当の見せ場はここから始まる。
乗車前のアナウンスで、「FUJIYAMAは世界最大級の大変ハードなコースターです。体力に自信がない方は、よくご検討の上乗車ください・・・」などというようなアナウンスがある。こういうアナウンスは得てして大げさだったりするが、FUJIYAMAに関してはハッタリでもなんでも無い。それがこれから判る。
地面ぎりぎりのストレートを高速で突き進む。そのまま敷地の端まで行くと、ライドは一気に右へ90度ひねられる。地面が縦を向く。そのまま強烈なGを受けながら大きく高速で旋回する。「ゼロカントカーブ」と呼ばれる部分だ。
右手には地面がぎりぎりまで迫り、草が顔に触れてしまいそう。凄まじいスピード感だ! しかも、数多くの支柱の合間を縫っていくように進む。ぶつかってしまいそうな恐怖感に加え、強烈なプラスGがかかり、バンザイを続けることができない。
ゼロカントカーブを抜け、ライドは最終パートへ突入する。それがFUJIYAMAで最も強烈なパート、「サーフィンコース」。
ライドは高速を保ったまま、左右に大きく蛇行したアップダウンのコースへ向かう。つまり、猛スピードで上下左右に何度も何度も振り回される。これがFUJIYAMAをFUJIYAMAたらしめている他に類を見ない激しい部分だ。まるで荒馬に乗っているかのように激しく振り回される。
しかもこのパート、「なめらか」なんて言葉は一つも当てはまらない。とにかく荒っぽい、ゴツゴツしたカーブ&アップダウンなのだ。
体は突然跳ね上がり、尻がぷっかり浮いたかと思えば、ライドはガクンと横に傾き、宙に浮いた体は安全バーに引っかかった形でライドに引きずられる。下半身と上半身は全く違う方向を向き、まともにバーを握っていることすらできない。そんな強烈極まりないアップダウンが、何度も何度も襲ってくる。
ここまでくると、もう興奮状態は限界を超えている。アドレナリンが噴出されすぎて、快感さえ覚える。頭がおかしくなったように、大声で笑いながら叫んでいる自分に気づく。ランナーズハイならぬ、ライダーズハイだ!
これでもかっ、これでもかっと徹底的にスリルを味わった後、ライドはプラットフォームに駆け上がる。そう、駆け上がるのだ。「ポーン」と跳ね飛ばされるような浮遊感。もうあらゆる感覚が麻痺してしまった体は、最後の最後で強烈な浮遊感を受け、意識すら飛んでしまいそうだ。
そして、ブレーキ。
スゴイ。とにかくスゴイ。これが、FUJIYAMAだ!King
of Coasterは伊達ではない。世界に巨大コースターは数あれど、これを超えるコースターはそうそう無いハズだ。ここにはコースターの面白さが全て詰まっていると言っても過言ではない。世界に誇る、間違いなく日本最高のコースターだ。
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