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 ドドンパ 富士急ハイランド
Dodonpa / Fujikyu Highland 
■ レポート (2006/1 乗車)


殺風景な 駅舎。工場のようなつくり。
この前は広い空き地のようになっているため、ますますそう感じる。


エントランス。混雑時など、ここから待ち行列が飛び出してしまう。
そうなると数時間待ちは必至。

ドドンパ

ドドンパのプラットフォームは、FUJIYAMAの対面にある。工場のような殺風景な白い建物から長いトンネルが伸びており、時折「シュゴーー!!」という空気が噴出する轟音と共にライドが発射されている。猛スピードでパーク全体を大きく周回する。園内でもかなり自己主張が強いアトラクションだ。

さて、コースターといえば普通「カタカタカタ」と山を登っていくものだ。シャトルループなど、一部カタパルト式の仕組みで発射されるコースターは存在したが、数はそれほど多くない。このドドンパは、圧縮空気の力で発射される。そのため、これまで考えられなかったほどの加速力を体験できる。

開発はS&S パワー社。機種名をThrust Airといい、アメリカのパラマウント・キングスドミニオンというパークに世界で始めて設置された。ドドンパは世界で2台目となるThrust Airだが、最高速度では先代を大きく上回る。まさにギネスを狙うために開発された超高速マシンだ。

高速走行に耐えるために、車輪はゴムタイヤとなっている。ハーネスは上半身フリーである代わりに、下半身は足のすねまでがっちりと固める強固なものだ。シートも巨大で全身に受ける重力をしっかりと受け止めるようになっている。背もたれの大きなシートだ。そのため、二列目以降だと視界が大きくさえぎられる欠点がある。本当にドドンパを楽しむならば、最前席が必須だろう。乗車人数は8人。これは圧縮空気による発射の限界なのだろうか。回転率は著しく悪い。夏休みなど、数時間待ちは当たり前だ。



ぶれてしまっているが、プラットフォームの様子。真っ赤なカラーリングが興奮をかき立てる?
上部にはコントロール室が見える。

乗車待ち

待ち行列は、プラットフォームの建物から裏手に延びている。回転率が悪いため、なかなか列は進まない。夏の間はなかなかつらいものがある。今回は真冬の閑散期ということで10〜30分待ちで乗車することができた。待ち行列にはスピーカーが設置され、「ドン、ドン、パッ」という環境音楽?が延々流れている。富士急得意のブラックジョークだろうか?あまり趣味のいいものではないが・・・。

建物の中に入ると、つづら折のスロープになっており、ゆっくりゆっくり上っていく。白かった廊下は途中から緑になり、プラットフォームでは真っ赤になる。心理的な抑揚を狙ったものなのだろうか。

時折、先発隊のライドが発射される轟音が響く。圧縮空気が噴出される甲高い爆音。係員が難聴にならないか心配だ。

プラットフォームは乗車用と降車用に分かれている。真っ赤なカラーリングが異様な雰囲気をかもし出す。ライドは流線型でなかなかカッコいい。いかにも超高速で突っ走るライドという趣だ。ボンネットには、絶叫して涙を流す大きな顔が描かれている。うーむ、富士急以外には決してまねのできないセンスだ。個人的には嫌いじゃない。

まず対岸のロッカーに荷物を預ける。座席に座り、シートベルトを通し、ハーネスを下腹部に当てる。ハーネスは足まで固定される厳重なものだ。その上で係員による厳重なチェックがすむと発進となる。




響き渡るコンプレッサーの音が緊張をあおる。
以前は、渦巻状に光が走る演出があった。
(オンライド画像はええじゃないかプレスプレビューの時に撮影)


カウントダウン後、発射!これが世界一の加速だ。


轟音と共に170km/hオーバーで飛び出すドドンパ。目で追うことも難しい。
以前は煙が吹き出す演出もあったが、なくなったようだ


外で見ているのと乗っているのでは、大違い。まさに常識はずれのスピード感。


このあたりでやっと記憶が戻ってくる。


猛スピードで緩やかな下り坂「ゼロGフォール」を進む。 浮遊感を感じる。


トンネルに当たりそう。


大半径のカーブ。ほとんど垂直のバンク角度。


気持ちのいいカーブだが、細かい振動がある。

発射

前方はトンネルになっており、中は薄暗い。メカニカルな雰囲気の中、赤いスポットライトに照らされる。まるでアニメに出てくる秘密基地のよう。

かなり先の方でトンネルが途切れ、外の明かりが見える。これからあそこに向かって加速するのだ。

周囲には空気を圧縮するコンプレッサーの甲高い音が響き、かなり異様な雰囲気。緊張がどんどん増していく。

トンネルの途中でライドは停止。上部にはモニタがあり、頭をヘッドレストに付けるよう表示されている。

以前乗車したときは、渦巻き状のイルミネーションがトンネルの出口に向かって光っていたが、なくなったようだ。ドキドキしながら発射を待っていると、機動戦士ガンダムの主人公「アムロ・レイ」のセリフが流れる。「冬の絶叫祭り」というイベントのため、いつもと演出が違う。

そして、カウントダウン。「3、2、1、アムロ、いきまーーす!」

これから起きることを想像し、息を止めてぐっと身構える。鼓動が早くなる。何度乗ってもこの緊張感は薄れない。しかし、なかなか出発しない。はるか先に見える外の明かりを注視し、ぐっと手を握り締める。長い。まだか。まだか。

と、次の瞬間前方にある小さなシグナルが点灯した。「ドドンパぁ!!」

一瞬でシートにめり込む体。暴力的なまでの力が全身に加わる。

「ぐおおおおおおっ!!」重力に耐えるため、全力で叫び声を搾り出す。周囲の視界がぐにゃりとゆがむ。はるか先に見えていた出口が、遠近感を無視してぐぐぐぐっと目の前に迫る。一瞬のことに、まるで空間が圧縮されてしまったように感じる。

なんという加速感だ。高速で走っている新幹線や、飛行機から外の風景を見ると、遠近感が麻痺してミニチュアのように感じることがある。ドドンパでは、たった1.8秒でその世界へ飛ばされてしまうのだ。まさに常識を超えた加速力。

猛スピードで、トンネルから外へ飛び出す。目が慣れていないため、周囲の景色は一瞬ホワイトアウトしてしまう。

顔に当たる風がもの凄い。ほおが後ろに引っ張られている。視界が戻ってくると、周囲の景色が信じられないほどのスピードで流れていくのが判る。すさまじいスピード感。普通に生活している中では、決して経験できないスピードだ。

もう後ろに引っ張られる重力は感じない。加速が行われるのはトンネルの出口まで。そこから先は勢いだけの世界だ。

しばし直進した後、ライドは緩やかな下り坂に入る。ゼロGフォールと呼ばれる部分だ。超高速で進んでいるため、緩やかな傾斜ながら、ふわっとした浮遊感を感じることができる。

そして、トンネルへ突入。一瞬で外へ飛び出す。

トンネルを抜けると、高速カーブだ。急角度のバンクを持った、大半径のゆるやかカーブをおおらかに曲がっていく。右手には園内がよく見渡せる。左手には空。とても気持ちがいい部分だ。強烈な加速で恐怖してしまった人も、ここでは爽快感を目いっぱい感じることができるだろう。思い切りバンザイして、このスピード感を楽しもう。




二回目のトンネルを抜ける。


突然目の前にある垂直の壁。


頂上では体が激しく跳ね上げられる。力を入れて耐えよう。


直後に垂直落下。


まるでロケットの発射台のよう。一瞬で最高地点まで登り切る。


一気に落下。思いっきり絶叫しよう!
ただ、落下によるスリルよりも痛みの方が強いのが残念。


そして一気に奈落の底へ・・・。

垂直タワー

カーブを抜けると、ドドンパの目玉、垂直タワーだ。

まず、トンネルへ突入し、脱出とともにライドは90度空を向く。下向きに強いGがかかり、体がライドに押し付けられる。目の前には空。そして、一瞬で50メートルあるタワーの頂上に登ってしまう。

そこそこ高いタワーだが、景色を堪能している暇はまったく無い。頂上に到着したライドは、すぐに90度下を向くことになる。垂直落下はかなりスリルがあるように想像されるが、実際に乗ってみると、それどころでは無い、といった感じだ。すべてが一瞬で過ぎ去ってしまう。「あ、登った」と思った次の瞬間には「あ、落ちた」となる。発射による圧倒的なスリルに比べると、オマケのようなものだ。

それにこの垂直タワーにはひとつ大きな難点がある。頂上へ登った後、ライドが下を向く瞬間に体が強く浮かび上がる。そのとき、下腹部を押さえるハーネスに全体重がかかる。まるでパンチを一発食らったような衝撃を覚える。この痛み、なんとかならないものだろうか・・・。



三回目のトンネル。


大きなカメラが!


ライドフォトの撮影ポイント。ここまで来ると、スピードもかなり落ちている。


ガガガッという音とともにスピードダウン。
バンク角度はすごいが、実際は徐行運転に。


駅舎にもどると、拍手が。


ゴールイン。

ゴールまで

タワーを抜けるとライドには運動エネルギーが戻ってくる。しかし、スタート直後のスピードとは比べるべくも無い。あとはゴールに向かうだけ。消化試合といったところだ。

直線の緩やかな坂を登る。レールの脇には巨大なカメラのオブジェがあり、フラッシュが炊かれる。ここでライドフォトが撮影される。

そしてブレーキ。ガガガッと音を立て、ライドはスピードを落とす。ゆったりとしたスピードでいくつかカーブを抜けプラットフォームへ戻る。


 

感想など

とにかく常識はずれのスピード感と加速を味わえるコースターだ。それについては、文句無く日本一だろう。

世界的に見ても、この加速感は他で味わうことができない。あの、空間が歪む感覚はここでしか味わえない貴重なものだ。一瞬ではあるが、190km/hを超える加速を味わえるドラッグスターと比べても、その迫力は甲乙付けがたいと思う。

ただ、それ以外にも目を向けると評価は厳しくなる。垂直タワーを除けばコース展開に特筆すべきところは無く、肝心の垂直タワーも楽しむより傷みをこらえることで精一杯という感じだ。そのせいで、連続乗車をする気分には、あまりならない。

また、基本的に乗り心地はいいのだが、カーブ部分などで細かな振動を感じる。

初めて乗車したのは完成後それほど経って無い時だったと思うが、そのときは垂直タワーで痛みを感じた覚えは無いし、振動も全く無いスムーズな乗り心地だったと思う。年数が経ったことで仕方の無い部分だとは思うが、少々残念なところだ。

僕の絶叫人生は、4年前に訪れた初めての富士急でスタートしたわけだが、そのときの感想としては実はFUJIYAMAよりもドドンパに衝撃を受けた。まさに、「この世にこんなスゴイものがあったなんて!」という気分だった。まさに目からウロコというやつだ。あまりの衝撃に、しばらく夢に出てきたほどだ。

FUJIYAMAはコースター好きにとって究極とも言える存在だが、人によってはドドンパの方がシンプルにスリルと爽快感を味わえるライドと感じるかもしれない。

いずれにせよ、富士急の顔とも言えるFUJIYAMAとドドンパ。世界に誇る日本の代表的な絶叫マシンであることに変わりは無い。

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