大ドロップからゴールまで
ライドは、前方に向かって走り始める。先ほどは、暗闇をカーブしながらバックしてきたが、今度は直進だ。目の前には、外の明かりが見える。それが、ぐんぐん近づいてくる。
フラッシュが炊かれ、目の前がホワイトアウトした瞬間、ライドは外に飛び出す。そして、このコースター唯一の大ドロップ!!
エクスペディション・エベレスト最大の見所がここだ。暗闇の走行から、突如青空の下へ飛び出し、一気にドロップする。左にカーブしながらのドロップで、高さもそこそこあり、ぐんぐん加速する。カーブしているためGが強く、迫力を感じる。NEWレオマワールドのビバーチェで体験したファーストドロップにそっくりだ。
ドロップ後、旋回コースに入る。大きめの水平ループ状のコースを勢いをつけて回っていく。スピード感にあふれ、とても気持ちがいい。ここからは、ノンストップでゴールまで突っ走る。
もう一度トンネルに突入し、暗闇の中を走る。トンネルと外を交互に走る部分はビックサンダーマウンテンとテイストが似ているが、大きめの旋回コース中心のレイアウトというのが異なっている。その代わり、ビッグサンダーマウンテンにあるような小刻みなアップダウンがあまり無いため、浮遊感や落下感を楽しむことができない。。
トンネルの中をぐんぐん進む。すると、上の方にこれまでレールを破壊してきた「それ」が現れた!
白い大きな雪男がこちらに向かって威嚇してくる。ライドは、その下を掠めるように走り抜けていく。なんとか振り切ったようだ。
そのまま暗闇の中をしばらく進んで、ブレーキ。ゴールとなる。
演出に力を入れたコースタータイプのアトラクションだ。キューラインで雰囲気を高め、山を眺めつつの巻上げ、そして連続するハプニング・・・と、ディズニーならではの演出を楽しめる。雰囲気から想像するよりもスリルは控えめで、家族連れでも楽しむことができるだろう。
ただ、純粋なコースターとして見ると、バランスの悪い部分も多い。
まず、停止・発進を繰り返すということ。コースターの醍醐味である爽快感が、これで大きく損なわれてしまうのだ。
また、大きなドロップは一箇所のみで、あとは緩やかな旋回を繰り返すだけ、というのも実にもったいない。
演出が凝っているコースターというと、ユニバーサルのリベンジ・オブ・ザ・マミーとの比較も避けられない。結論から言えば、大きく負けている。あちらは、最初から最後まで徹底した演出に埋め尽くされている感じだったが、こちらは数箇所のみ。それも、だいぶシンプルなものだ。炎や音、映像、アニマトロニクスを駆使したマミーには、到底及ばない。
バック走行を取り入れたり、コースレイアウトがリアルタイムに変化する部分などは、これまでに無い斬新なものだ。Vekoma社は、このコースターのためにこれらのシステムを開発したようだが、これをもっと進化させて、さらに面白いコースターができてくるのを望みたい。 |