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トップ・スリル・ドラッグスター / Top Thrill Dragster 
シダーポイント / Cedar Point
■ 概要
スペック
   
タイプ: 急加速
オープン: 2003/5/4
製造: Intamin AG
モデル: Accelerator Coaster
設計: Ingenieur Buro Stengel GmbH
建設費: 25億円
長さ: 853 m
高さ: 128 m
落差: 121.9 m
宙返り: 0 回
最高速度: 193.1 Km/h
落下角度: 90 度
乗車時間: ?
最大G: ?
参考:RCDB 
評価
スリル

圧倒的な加速、地上128メートルからの落下により、文句なしの五つ星。

爽快感 現実離れしたスピードにより、爽快感抜群!しかし乗車時間は短く、浮遊感も無いのが残念。
ダメージ 乗り心地はよい。しかし、あまりのスピードからか、どうしても振動は感じる。Gもかなりのもの。
解説

コースター世界一の座を奪うために設計されたと言っても過言ではない、モンスターマシン。高さ、速さ、落差でギネス認定された。

これ以上無いほどシンプルなレイアウトながら、速さ、高さによるスリルをこれ以上無いほど味わうことができる。

4秒で最高速度193km/hに達する加速、90度急上昇、90度垂直落下、落下しながらの270度ひねりという、コースターの常識を覆す特徴を持つ。

2005年、同型の「キンダカ」が登場したことで、スペック的には世界二位となってしまったが、乗車感覚にそれほど違いは無いと言われている。


■ レポート (2005/5 乗車)

世界はとても広い。日本で生活していると決して想像もつかない事が普通に起こっていたり、
常識を超えた物が存在していたりする。しかし、そんな当たり前のことを本当に実感できるのは、
「それ」に触れたときだけなのだ。


シダーポイントの中央に高くそびえるタワー。
展望アトラクションからの眺めだが、ドラッグスターの方がはるかに高い。


ドラッグスターのロゴ。ドラッグレースをイメージしたチェック+炎のデザインが印象的だ。


ドラッグレースカーの実機?駅舎の近くに展示されている。

トップ・スリル・ドラッグスター

世界中のローラーコースターの半数以上はここアメリカに集まっていると言う。もはや、コースターは娯楽の域を超えた、ひとつの文化と言えるだろう。そんなアメリカ人がコースターに注いだ情熱は、もはや他国の人が理解できる範疇を超えてしまったのかもしれない。

今回の旅行で、その結晶とも言えるコースター二つと出会った。ひとつはマジックマウンテンの「エックス」。そしてもうひとつは、この「トップ・スリル・ドラッグスター」だ。

そのスペックは、あらゆるコースターの常識を覆す。当然、高さ・速さ・落差とも圧倒的な世界一だ。(注:その後、同型のコースター「キンダカ」に抜かれ、二位となった)

ドラッグスターは、シダーポイントの中央に圧倒的な存在感を放って聳え立っている。パーク内はもちろん、湖の向こうにあるサンダスキー市街からも見る事ができ、ランドマークとなっている。その、ローラーコースターとは思えない不気味なまでの姿は、完成から2年が経過した今でも、初めて訪れた人に驚きと恐怖と興奮を与えている。

直線コースを190km/hオーバーまで一気に加速、勢いだけで128メートルの高さまで垂直上昇する。頂上で圧倒的な眺めを数秒間楽しんだ後、今度は垂直に落下。しかも一回転弱のひねりつきだ。そして戻ってきてゴール、という実にシンプルかつインパクトの大きなコース。まさに、コースターの「スリルだけ」を凝縮し、余分なものを全てとりはらったコース設計と言える。

ドラッグスターが完成したのは、2003年。それまで富士急ハイランドの「ドドンパ」が持っていた世界最速記録を大幅に塗り替え、同時に高さ・落差でもギネス記録となり、世界一のローラーコースターとなった。製作はスイスのインタミン社。同パークのもうひとつの目玉、ミレニアムフォースも同じメーカーだ。

ドラッグスターの原型はカリフォルニア、ナッツベリーファームの「エクセラレーター」というコースターだ。規模こそ小さいものの、急加速、垂直急上昇、垂直落下というコンセプトは同じ。こちらは、垂直落下後すぐ終了せず、旋回コースを楽しめるようになっている。



乗車待ちの間、タワーをかけ登るライドを眺め続ける事になる。


フリーウェイのスタンプ。16時〜17時の間であればショートカットできる、という意味。
一度使うと黒いスタンプで上書きされ、二回使うことはできない。


待ち行列中の看板その1。「普通の(?)ドラッグスターは一人乗りですが、TTDは18人乗りです」


その2。「普通のドラッグスターはタイヤが4つですが、TTDは60個あります」 へぇ〜 へぇ〜


その3。「普通のドラッグスターは、あなたがこの文章を読んでいるうちに
450km/h以上まで加速します」・・・TTD、負けてるじゃないか。


プラットフォームの様子。大勢の人で埋め尽くされている。

乗車待ち

ドラッグスターは、シダーポイントでも最も待ち時間の長いコースターだ。混雑しているときは、数時間待ちにもなる。といっても、回転率は悪くない。3〜4台の車両が次々に発射されていくため、列もどんどん進む。ドドンパとは大違いだ。

待ち行列は、周回状のコース内側全体を使っている。日よけは何も無く、暑い。春に来たからよかったものの、真夏にここで何時間も待つのはかなりキツイだろう。

なお、待ち行列の入り口付近では、特定の時間に「フリーウェイ」と呼ばれるスタンプを手の甲に押してくれるサービスを行っている。スタンプには時間が記載されており、その時間に戻ってくれば待ち行列をショートカットできる仕組みだ。チケットではなく大きなスタンプというところがアメリカらしい。

待っている間、目の前をライドが凄い勢いでかっとんでいく。十数秒後に戻ってくるライドに乗っている人は、皆大興奮だ。いよいよアレに乗るのか。ドキドキが止まらない。「世界一のコースターに乗ってくるんだ!」と勇んでこんな地球の裏側までやってきたはいいが、実はドラッグスターに並ぶまでに恥ずかしながらそれなりの葛藤があった。到着した日の夜など、絶対に乗れないと諦めかけたほどだ。闇夜に浮かび上がる128メートルの垂直タワー。人間の乗る乗り物とは思えなかった。

ドラッグスターは、その名の通り「ドラッグレース」をモチーフとしたコースターだ。待ち行列の各所に看板があり、本物のドラッグレースとドラッグスターを比較するような事が書かれている。

さて、1時間ほど待って、プラットフォームへ到着。新しいコースターだから、プラットフォームもピカピカだ。アナウンスや音楽も活気にあふれている。ここからは、好きな座席へと並ぶ。とりあえず、中間あたりの席を選んだ。先頭など、いきなり乗る勇気は無い。

乗り込む人達は当然ハイテンションだ。簡単なハーネスを腰にあて、チェックもそこそこに発進、少しの距離をゆっくり前進し、停止。注意事項のアナウンスの後、エンジン音が鳴り響き発射!!あっという間にライドは米粒のようになり、垂直に突き立ったレールを空に向かって上っていく。頂上で止まりそうなくらい減速し、今度はひねりつつ落下。そして戻ってくる。そのときには、次のライドが発射直前でスタンバっているという具合だ。



ドラッグスターのライド。
先頭車両の形が違うが、ミレニアムフォースやサンダードルフィンとほぼ同じ仕組みのようだ。


190km/h以上のスピードにも耐える車輪。径が大きく、薄く樹脂が巻いてあるのも、乗り心地の良さの秘密だろう。


発射地点にスタンバイ。大勢の人がスタートの様子を眺めている。


なんと、レールの脇には観客席まである。ドラッグレースを徹底してイメージしているのが判る。


発射直前、緊張感が漂う。左のシグナルが素早く点灯し、緑になると発射だ。


発射!!写真のツワモノたちはいきなりハンズアップしているが、実際はGのため難しい。
というか、無理。


直線コースをぐんぐん加速。


あまりの速さに、カメラで追うことすら難しい。


加速部分を抜けるとすぐさまライドは上を向き、上昇を始める。


レールの右には、このような看板が設置され、リアルタイムに速度を
計測して表示するようになっている。毎回微妙にスピードが異なるのが、面白い。


目の前に90度のひねりが迫る。


横にひねりつつ、垂直上昇。慣性だけで、100メートル以上の高さまで登ってしまうのは、まさに驚異的だ。

悲劇

うおお、ついに来た。世界一のコースターを体験するのだ。こんな無謀な旅に同行してくれた友人と握手を交わし、ついにここまで来れた喜びを分かち合う。冗談ではなく、本当にそんな気持ちだったのだ。もうここで死んでも後悔は無い・・・というのは嘘だが、とりあえず後悔のタネがひとつ減ったことに間違いは無い。

少なくとも、帰ったら友達や会社の同僚に自慢できる。世界一のコースターに乗ったんだ、FUJIYAMAなんて比較にならないんだぞ、と。

ライドはミレニアムフォースやサンダードルフィンとほとんど同じだ。腰を下ろしてT字型のハーネスを腹部に引き寄せる。ハーネスをきつくしすぎて、ちょっと後悔する。力が入りすぎてしまった。ああ、緊張している。

前方では、もう一台のライドが準備を終え、ゆっくりとスタート地点へ向けて移動し始めた。あれがスタートすると、次は自分たちの番なのだ。戦場に飛び立つ友軍機を見守るような気持ちで、その発射を待つ。おのずとテンションは上がっていく。流れる音楽もハイテンションだ。

いくつかのアナウンスの後、エンジン音と共に先発隊のライドがスタート!凄い勢いで遠ざかっていく。そして、垂直上昇・・・・・・・・あれ??上昇するスピードが明らかに遅い。スローモーション映像を見ているようだ。周囲からざわめきが起きる。これでは、登りきれないのではないか!?

8分目ほど登ったところで、ライドは一瞬静止。なんと100メートルほどの高さから後ろ向きに落下を始めた。ざわめきは悲鳴に変わり、周囲は騒然とした雰囲気に包まれる。嘘だろ!?目の前で、まさかそんな事が・・・。

落下したライドは早いスピードのまま後ろ向きに戻ってきた。とりあえず乗客は無事のようだ。そのままプラットフォームに突っ込んでくるかと恐れたが、ブレーキがかかり徐々に減速。スタート地点より少し先で停止した。

ライドダウンのアナウンス。点検を行うようだ。ライドに乗った人立ちはそのまま放置されている。心なしか楽しそうに見えるが、気のせいだろう。もしくは、あまりの恐怖におかしくなってるのか!?いずれにしても、尋常では無い事が起きてしまった・・・!

点検が続いているが、その後はどうやら続けて発射を試みるようだ。しかし、これで仮に前のライドがうまく発射されたとして、次の自分達に問題が起こらないとは限らない。しかも、こんなことが起きたからにはもっととんでもない異常が起きる可能性だってあるのでは??

「やっぱり止めます」と言って、ライドから降りたかったが、ハーネスを外そうにもがっちり固定されてしまっている。係員も外してくれる雰囲気は無い。どーせ、英語でお願いしても通じないんだろう。

アーメン。まさか本当に死ぬのだろうか?ここまできたら死んでもいいなんて思ったせいだろうか?軽率にそんなこと考えるのではなかった。ここで死んだら、きっと日本でもニュースに出るだろう。「世界最大のコースターで事故、邦人二人死亡」と。親は笑われるだろうな。しゃれにならないな・・・。

そんなネガティブな事を考えている内に点検終了のアナウンス。周囲からは拍手が起きる。前方のライドは再びスタート地点に着く。軽快な音楽とエンジン音が鳴り響く中、発射!!

ギャラリーが「Go!Go!Go!」と叫ぶ。皆が見守る中、ライドは「よっこらしょ」という感じで頂上を越えた!割れんばかりの歓声と拍手。二回目の発射はなんとか成功したようだ。

発射

僕達はそれを複雑な気分で見守った。次は自分たちの番だ。何事も無かったかのような雰囲気の中、僕らの乗ったライドはゆっくりとプラットフォームを出発する。そして静止。プラットフォームの人やコース脇で眺めているギャラリーの注目が集まる。もう、逃げる事はできない。神に祈るのみだ。

「Keep arms down, head back and hold on!」とアナウンスが入る。そして、空ぶかしするエンジン音が響く。頭をヘッドレストに押し付け、加速の衝撃に耐える準備をする。はやる気を抑えられず、スタート前にもうバンザイしている客もいるが、即座に「Hands down!」とのアナウンス。

コースの周囲は、トラブルに気づいた人でいっぱいだ。みな、自分が乗るわけではないからか、楽しそうに眺めている。子供が笑いながら叫んで、手を振っている。こちらは、死刑台に向かう気分だというのに。はるか前方には、垂直に突き立ったレールがぼんやりと見えている。ああ、これからアレを登るのだ。いや、登れたらラッキーなのか?でも、その後落ちるのは一緒か?などと、良く判らない考えが頭をよぎる。

「プシューッ」と音がし、レールに並ぶ板のようなものが下がっていく。ブレーキ版だろうか?いよいよロックが解除されたようだ。それまで停止していたライドが、かすかに後退している。

いよいよか。手に汗がにじんでくる。深く深呼吸し、目の間に伸びるレールの先をじっと見つめる。余計な思考は全部消えた。もう覚悟はできた。行ってやろうじゃないか!!

と、次の瞬間「ギュルギュルギュル!!」とタイヤのスリップ音と共に、シートに強く押し付けられる体。周囲の景色が一瞬にしてゆがみ、何も見えなくなった。発射されたのだ!

「どわあああああああーーーーっっっっ!!!」

これまで感じたことの無い加速感。一体どこまで続くのかと思うほどの長さと強さだ。もはや、Gを感じるとか言うレベルではなく、体全体を無数のゴムひもで思い切り後ろに引っ張られるような感覚。ハンズアップなど、できるはずもない。ぐんぐんスピードが上がる。まだ速くなる。どんどん速くなる。ドドンパの衝撃的な加速とは違う、粘りがある加速感だ。

そして顔にあたる風。もはや単なる空気では無く、質量を持った物体としての「空気」が体全体に叩き付けてくる。息ができない。空けた口が閉じれない。風を切る音に、自分の叫び声がかき消される。いや、強烈な感覚が全身に流れ込んだせいで、情報を脳が処理しきれず無音に感じてしまったのかもしれない。頬の皮が波打っている。まぶたがめくれ、眼球の裏側にまで風が入り込んでくるのが判る。こんな感覚は、生まれて初めてだ。

あまりのスピードに視界が極端に狭まり、目の前にまっすぐ伸びる赤いレールとその先にあるタワーだけが何とか認識できる。それが、ぐんぐん近づいてくる。目の前にそびえ立つ128メートルの赤いタワー。

加速によるGから開放された直後、ライドは90度上に向かうための曲線部分に突入する。190km/hの速度で、だ。当然、凄まじいGがかかる。ライド全体がビリビリビリと細かく、激しく振動する。

ライドは完全に空を向く。目の前に見えるのは、青い空と真っ赤なレールだけ。その上レールはぐにゃりと捻じ曲がっている。不思議な光景だが、そんな事を意識している暇は無い。ライドは空に向かって一気に上昇、ひねられたレールに沿って90度横に回転する。タワーを横から登る形になる。

 



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