とにかく、常識を覆すスピード感。大きなアップダウンが少ないため、最初から最後までほとんど減速することなく走り抜ける。コースターの常識を打ち砕くなんとも攻撃的・直球勝負のコースターだ。こんなコースターは日本には全く存在しない。いや、世界でも二つと無いだろう。
圧倒的なファーストドロップも見事だ。それはコースターのドロップというより、身ひとつで自然落下しているような感覚。80度とのことだが、感覚的にはまさに垂直落下。
乗り心地は極めて快適。激しいスピードとターンにもかかわらず、不快な振動やGが全く無い。これほど爽快なコースターが存在すること自体が驚きだ。まさに新世紀のコースターと呼ぶにふさわしい。乗り撮り映像を見ればわかるが、乗客のほぼ全員が、走行中全てにわたってバンザイを続けている。もはや、安全バーすらいらないのでは?と思うほどの乗り心地。
ゼロGポイントは少ないながらも、質は高い。とにかく気持ちのいい浮きが楽しめる。
また、とにかく開放感に優れたライドの形状も特筆すべき物だ。上半身完全フリーで見晴らしも良く、この桁外れの爽快感を全身に感じることができる。車両ごとの後部座席が若干高くなっているのも、うれしい心配りだ。サンダードルフィンでも採用されているこのライド、これからのコースターはこうあるべきだと思う。
では、スリルの面から見るとどうか。個人的にはスペックから想像するほどのスリルは無いと考える。まず引き込まれ感(マイナスG)を感じるドロップがほぼ存在しない。あるとすればファーストドロップくらいだが、落下曲線が極めて緩やかに作られているせいか、後部座席ですらそれほどのマイナスGは感じなかった(と思う。激しいコースターに乗りすぎて感覚が麻痺していたのかもしれないが・・・)
また、スムーズすぎる乗り心地というのも、スリルに影響を与えている。スムーズすぎて走行中むしろ安心感を感じてしまうのだ。不安定感や意外性によるスリルというものは、ほとんど存在しないと言っていい。ファーストドロップを除けば、高さによるスリルも感じるところは無い。あるのは、純粋にスピードによるスリルだけだ。
コースレイアウトは、その長さを考えればこの上なくシンプルと言える。ブーメランターンと低空滑走とキャメルバックの三つがほとんどを占めており、それぞれがとにかくスムーズに連携する。その反面、変化に乏しく規模の割にはボリュームが少ないと感じるかもしれない。乗車後の満腹感としては、FUJIYAMAの方が上と思われる。
ではFUJIYAMAとミレニアムフォース、どちらがコースターとして優れているのだろうか?これは完全に好みの問題だろう。違った良さがあるとしか言うことができない。スピード感・爽快感を重視するならミレニアムフォース。コースバリエーションと、荒っぽさも含めたスリルを味わいたいならFUJIYAMA、といったところか。
個人的には、これまで乗車した中での総合評価としてはNo1のコースターである。期待は裏切られることは無かった。サンダードルフィンで感じた異次元の気持ちよさ。それを上回るボリュームと爽快感。それは間違いなくここにあった。しかし、上記理由から非常に「惜しい!!」部分があるのも確かだ。これを上回る爽快感や満足感、スリルを併せ持つコースターが、いずれ生まれてくるのだろうか・・・? |